百合の本当の姿
「百合ってどっちを向いて咲いてますか???」生徒さんたちにお伺いすると、ほとんどが「天に向かって咲いてる」という答えが返ってきます。確かに、お花やさんで販売されているスカシユリなどのほとんどが天を向いて咲いている百合です。
それが百合の本当の姿かというと、半分あっていて、半分間違っていることになります。
野山に自然に咲いている百合を見たことがありますか???
野山に咲いている百合は、殆んどがうつむきかげんに、下向きに可憐に咲いています。
お花屋さんで販売されている百合は、交配してできた園芸品種が多く、大きな百合のお花も支えられるように、茎が太く、真っ直ぐに長く伸びているものやそこから枝分かれしているものが多数です。
百合の本当の姿が、園芸品種の改良によって、変わってきてしまっているというのが、少し悲しいところではあります。これを機に、野山に咲いている可憐な百合の姿を知っていただけると嬉しいです。
百合は、ほとんどの種類が夏に開花します。山や田舎に行く機会があれば、可憐な百合たちが咲いていたりしますので、よくご覧になってみてください。
百合の日本原産の原種
百合は、世界に約100種類もの原種があります。
うち日本原産の原種は15種あると言われています。
そのうち、日本にだけ自生している固有種は、6種類のみとなります。
百合の品種
日本で見ることができる百合の品種を中心にまとめてみました。あいうえお順です。
イワトユリ
◆系統
アジアティックハイブリッド系の親。
ウケユリ 請百合 《原種》
◆原産
日本原産。 日本(奄美大島)だけに自生している固有種。
◆花の名前の由来
南西諸島の請島(うけじま)に多く咲いたことから付けられた。
◆多年草
◆茎
約1センチ しっかりしている
◆葉
長さ10~20センチ
◆草丈
40~120センチ
◆開花時期
5~6月
◆花径
大輪 幅15~17センチ
◆花の色
白
◆花粉
赤褐色
◆花の咲き方
やや上を向いて咲く。
◆花の特徴
カサブランカに似ている。
ウバユリ 姥百合
◆英名 Heartleaf lily
◆科属 ユリ科ウバユリ属
◆自生場所 森林の中など、陽の当らないところに自生。
◆何年草か 多年草
◆草丈 約50~80センチ。
◆葉 ユリ科の葉とは全く違います。ハート型をしています。
◆開花時期 7月。
◆花びら 百合に似た花。
◆実がなる時期 8月。

エゾスカシユリ 蝦夷透百合 《原種》
◆原産
日本原産。
◆科属
ユリ科ユリ属スカシユリ亜属
◆品種・系統
アジアンティックハイブリット系の親。
◆交配
スカシユリ
◆自生場所
北海道、樺太、シベリア
◆多年草
◆草丈
20~90cm。
◆開花時期
6月~7月
◆花の色
濃いオレンジ
◆花の特徴
上を向いて咲く。花びらに斑点がある。
オトメユリ 乙女百合 《原種》
ササユリに似ていますが、ササユリとの違いは、ササユリは花粉が赤褐色をしています。 小さくて可愛い可憐なユリです。
◆別名
ヒメサユリ(姫小百合)。
◆原産
日本原産。日本だけに自生している固有種。
◆科属
ユリ科ユリ属。
◆品種・系統
オリエンタル系。
◆自生場所
野山
◆多年草
◆草丈
約30~50cm
◆開花時期
6~8月。
◆花径
横幅は約8センチ、奥行きは約8センチ。
◆花びら
筒状(1枚づつ離れていない)。斑点はない。
◆花の色
薄いピンク。
◆花粉の色
黄色
◆花の咲き方
下を向いて咲く。
◆花の特徴 芳香有り。
オニユリ 鬼百合《原種》
「オニユリ」についてはこちら ↓↓↓

カノコユリ 鹿の子百合 《原種》
「鹿の子百合」についてはこちら ↓↓↓

クルマユリ 車百合
◆科属
ユリ科ユリ属カノコユリ亜属。
◆自生場所
オニユリ、コオニユリよりも高山帯に咲く。
◆多年草
◆花びら
車の車輪のように反り返っているので、この名がついたとされます。斑点有り。
◆花の色
濃いオレンジ。
◆花の特徴
下向きに咲く。
コオニユリ 小鬼百合
◆科属
ユリ科ユリ属。
◆自生場所
オニユリより山地の草原や低地の湿原に咲く。
◆多年草
◆根
鱗茎が大型で、「百合根」としておせち料理などに使われます。ただ、現在食用とされているものは、食用の栽培品種となります。
◆葉
葉の付け根にムカゴはできない。
◆草丈
約70~150センチ。
◆開花時期
7月~8月
◆花径
オニユリより花が小さい。幅、奥行きともに約6~8センチ。
◆花びら
6枚。斑点有り。反り返る。
◆花の色
オレンジ
◆花の特徴
1本の茎から横枝が出て、10個程の花が順に下から咲く。花は下向きに咲く。
ササユリ 笹百合 《原種》
◆別名
「ヤマユリ」
地域により、ササユリのことを「ヤマユリ」と呼ぶところがありますが、別記「ヤマユリ」とは別の種類となりますので、ご承知おきくださいませ。
◆原産
日本原産。日本だけに自生している固有種。
◆科属
ユリ科ユリ属。
◆品種・系統
オリエンタル系。
◆お花の名前の由来
葉が竹笹に似ていることから、この名が付いたとされます。
◆何年草か
多年草。
◆葉
竹笹に似ています。やや厚い。
◆開花時期
5~7月。
◆花径
奥行約10~15センチ。
◆花びら
斑点はない。
◆花の色
薄いピンク。
◆花の特徴
下を向いて咲く。芳香有り。花粉が赤褐色(黄色もある)。オトメユリとの違いは、オトメユリは花粉が黄色。
スカシユリ 透百合 《原種》
「スカシユリ」についてはこちら ↓↓↓

タカサゴユリ 高砂百合
「高砂百合」についてはこちら ↓↓↓

タケシマユリ 竹島百合
◆原産
韓国原産の外来種。
◆科属
ユリ科ユリ属カノコユリ亜属。
◆品種・系統
クルマユリの近縁種。
◆多年草
◆開花時期
6月~7月。
◆つぼみ
たまごのようにぷっくりしている。
◆花径
小型。
◆花びら
肉厚。斑点あり。
◆花の色
オレンジ。
◆花の特徴
下向きに咲く。
タモトユリ 《原種》
◆原産
日本だけに自生している固有種。
テッポウユリ 鉄砲百合《原種》
◆別名
アメリカでは「イースターリリー」と呼ばれています。
◆原産
沖縄原産の原種。
◆科属
ユリ科ユリ属テッポウユリ亜属。
◆品種・系統
ロンギフローラム系。
◆自生場所
沖縄。本州ではあまり見かけない。
◆多年草
◆葉
葉の幅約2~3センチ。
◆開花時期
4~6月。
◆花の色
白
◆花径
横幅約10センチ、奥行き約10~15センチ。
◆花びら
筒状。
◆花の特徴
タカサゴユリと似ているが、タカサゴユリよりも茎と葉が太め。
◆歴史
江戸時代初期の資料には、鉄砲百合のことを「倒仙百合」と書いてあります。
ニワシロユリ 庭白ユリ
◆英名
Madonna Lily
◆別名
マドンナリリー
◆科属
ユリ科ユリ属。
◆多年草
◆茎
太い。分枝なし。
◆葉
幅約5ミリ、長さ約5センチ。
◆草丈
1~2メートル
◆花の色
白
◆花の特徴
鉄砲百合に似ている。
◆エピソード
聖母マリアの純血の象徴のユリ。バチカン市国の国花。
ヒメユリ 姫百合 《原種》
◆英名
Star Lily
◆原産
日本原産の原種。
◆科属
ユリ科ユリ属。
◆品種・系統
アジアンティック系の親。
◆自生場所
山地。
◆多年草
◆草丈
30~80cm
◆開花時期
6月~7月
◆花びら
星のように花びらが開く。斑点あり。
◆花の色
濃いオレンジ。
◆花の特徴
上を向いて咲く。
ヤマユリ 山百合 《原種》
「ヤマユリ」についてはこちら ↓↓↓

百合の園芸品種の系統
園芸品種とは、原種との交配によりできた品種のことをいいます。
桜は原種が10種類しかないのに対し、百合は原種が100種類以上あるので、園芸品種の数も果てしないことになります。
その「百合の園芸品種」を系統別に分けたものがこちら ↓↓↓

色の名前から分けられる種類
種類を問わず、百合の色だけで判断される言い方もあります。
シロユリ 白ユリ
種類を問わず、白い色の百合のことを「白百合」といいます。花言葉は、「純血」。
キユリ 黄百合
種類を問わず、黄色の百合のことを「黄百合」といいます。花言葉は、「飾らぬ美」。
クロユリ 黒百合

クロユリは、百合の1つの種類としての分類になります。
◆和名
黒百合
◆英名
Chocolate Lily
◆別名
蝦夷黒百合 エゾクロユリ
◆科属
ユリ科バイモ属
◆多年草
◆開花時期
6月~8月
◆花径
横幅約5センチ、奥行き約3センチ
◆花の色
クロ
◆花の特徴
悪臭がある。下を向いて咲く。
百合の歴史
百合の歴史は古く、『万葉集』(7~8世紀後半に編纂。奈良時代末期)には12首、『古事記』にはヤマユリ、ササユリの古名「サイ」が、『日本書紀』にもユリのことが記載されています。
百合を綺麗に見ることができるおすすめの場所
◆可睡ゆりの園
静岡県袋井市久能2990-1
広さ3万坪に、約150種、200万本の百合が咲き誇ります。5月中旬から7月上旬が見頃。6月中旬まではスカシユリが、その後はその他の百合が順に咲いていきます。ちなみに、紫陽花も7月上旬まで見頃となります。
百合のおすすめの逸品
「ユリ柄のがま口」です。和柄が素敵ですね。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓


明日はどんな手仕事する?
百合は、お花自体が魅力的なので、とても人気があるお花です。ただ、種類が多すぎて、それぞれのことを知られていないことが多いのかもしれません。
いけばなでは、カサブランカやスカシユリのように大きくて華やかなお花のタイプよりも、小さくて可憐に下を向いて咲くオトメユリやササユリなどが人気があります。より自然に近いからでしょう。
百合=華やかな印象ではないということです。
新しい品種も次々に開発されています。逆に新しく開発されて作られている百合のほうが、本当は百合らしくないと私は思います。
百合にはいろいろな種類があることを知っていただけると、百合のイメージも変わるかもしれません。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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