もっと知りたい「万年青(おもと)」とは
万年青の原産
中国原産。
万年青の科属
キジカクシ科スズラン亜科オモト属。多年草。
万年青の歴史
江戸時代の園芸ブームにより万年青を栽培することが大流行。高額の値がついたとされます。同時に、万年青専用の鉢もブームとなり、たくさんの種類が作られました。
その時に流行ったとされるのが、「斑入りの万年青」。
手入れもされていないうちの「斑入りの万年青」ですが、私よりも長生きしているようです。

明治時代にも、「万年青」の栽培のブームがあり、その際にも高値がついたとされます。
何度も「万年青ブーム」がおき、現在まで至るということは、「万年青」にはそれだけの秘めた生命力と魅力があるのだと思います。
万年青の名前の由来
葉が1年中青々としているから、この名が付きました。
万年青の自生場所
関東以西の山地。
万年青の根

間引いてあげようと、抜いた写真です。長芋のような長い根茎(右側の折れてしまっているもの)と無数の細い根です。この根が発達し、長年枯れずにおります。この根茎は毒素が強いため、絶対に口にしない方が良いです。
万年青の葉

万年青の品種によりサイズは異なりますが、長い葉は50~60センチにもなります。
また、しっかりとした厚さがあり、とても丈夫なことから、生命力の強さを感じます。
万年青の草丈
品種により20~50センチくらいのものもあります。
万年青の花

花は、5月に咲きます。鮮やかに咲き誇るような花ではなく、陽の当らない葉の影に隠れて咲いているので、葉をよけてみないと気が付きません。

万年青の花の特徴
毎年、古い葉の和合(2枚の葉の組み合わせ)の内側より新しい葉がでてきます。
新しい葉は、和合として向き合って出てくるのですが、その新しい葉の和合の外側から新しい茎が伸び、花が咲きます。
咲いたお花1輪が1粒の実となり、秋にはぶどうのような塊の赤い実をつけます。
古い葉の和合の中にはなりますが、新しい葉の和合の外に、花が咲き、それが実となる不思議な特徴を持っています。
万年青の実

茎に花の後が残り、1粒だけ実がなっていました。本当は、ブドウのように咲いた花の数だけ、実がなります。うちは手入れもしていないので、しっかりした実ができません。この実が年末には、赤くなります。
万年青の栽培方法・注意
万年青は、ほとんど手がかかりません。私は自分の性格上、暑くなる前に新しい葉が出てきたら、古い葉を1組残し、全部取ってしまいます。古い葉がたくさんになり汚くなるのが嫌なだけです。新しい葉が伸びる空間を作ってあげると元気よく育つということもあります。
万年青の季語
緑の葉と赤い実から、秋の季語となります。
万年青の花言葉
「長寿」「長命」。これは、わかる気がします。うちの万年青は、手入れもせずに、私よりも長生きしています。枯れることがありません。
縁起のよい万年青 風水と万年青
庭に万年青を植えると、その家は代々栄えると言われています。
また、鬼門である北東方向に万年青があると、邪気を祓ってくれると言います。鉢でも効果があるようなので、気になる方は、置いてみてください。
万年青をお正月にいける理由
緑の葉は、古葉と新葉の常緑が絶え間なく続くことから、子孫存続や繁栄の象徴とされています。葉の和合の外に赤い実をつけることから、おめでたい花としてお正月にいけられます。
華道家元池坊では、生花「七種伝」の1つとして、立花「立花十九ヶ条」の「万年青の前置」として、いけられます。

庭の万年青を、生花「七種伝」でいけました。買ってきた万年青と違い、家の庭の万年青のため、葉が汚いのはご了承ください。
「生花」とは、そのお花の出生をいかした花形となります。
この「万年青」のいけ方も、万年青が生えてくる姿そのものをいけています。生えてくる姿は、上記「万年青の特徴」に記載しました。いけ方は、生えてくる姿と全く同じです。
お花の出生をいかして活ける、いけばなの「生花(しょうか)」といういけ方は、お花の本当の姿を知らないといけることができない花型です。お花の本当の姿を知ってこそ、お花を綺麗にいかしてあげることができるのではないかと思います。いけばなの奥の深さを知るには、一生勉強しても足りないくらいだと思っております。

生徒さんの作品。毎年のように年末には「万年青」のお稽古をします。
万年青のおすすめの逸品
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