いけばなをされる方なら、毎年春にたくさんお稽古する「山茱萸(さんしゅゆ)」。なかなか上手にいけられないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、山茱萸は、山茱萸の特徴を知れば知るほど好きになれ、楽しくいけられるようになると思います。いろいろな特徴やコツを知って、好きな花になってみてください。
もっと知りたい「山茱萸(さんしゅゆ)」のこと
山茱萸の別名
春は「春黄金花(はるこがねばな)」、秋は「秋珊瑚(あきさんご)」と言われます。
山茱萸の原産
山茱萸は、中国、朝鮮半島原産です。
山茱萸の科属
ミズキ科サンシュユ属の落葉樹です。
山茱萸の歴史
江戸時代中期1722年に薬用植物として渡来したと言われています。
山茱萸のお花の名前の由来
山茱萸の実が秋になると赤くなり、茱萸(グミ)に似ていることから、「山茱萸(やまぐみ)」とも呼ばれます。これを音読みしたのが「山茱萸(さんしゅゆ)」の由来となります。
山茱萸の樹高
高さは、3~15メートルにもなります。
山茱萸の幹・枝
お稽古ではザクザク切ってしまいますが、山茱萸の幹は、太さ2センチくらいの枝になるには、約5年かかると言われています。大切に扱いましょう。
樹皮は、灰黒褐色。はげやすいので注意。
山茱萸の葉
葉は、楕円形をしています。
山茱萸の全体の姿




山茱萸の花

葉が出るよりも先に、花が咲きます。
山茱萸の開花時期
開花時期は、3月です。
山茱萸の花径
4~5ミリの小花が密になったものが3㎝くらいの塊になっている。
山茱萸の花びら
花弁4枚。花びらは開花すると反り返ります。
山茱萸の花の色
黄色。
山茱萸の実
実は秋に熟すと赤くなり、漢方で滋養強壮、止血、解熱、鎮静、冷え性などの効果がある薬となります。
山茱萸の季語
山茱萸の季語は、「春」です。
山茱萸のいけ方・飾り方のコツ
山茱萸は、ためが効くため、いけやすいお花のため、いけばなのお稽古用花材としては、とても良い花材です。
山茱萸の扱い方のコツ
◆小枝1つ1つをなおしましょう。枝は自由自在に動きます。出したい方向になおしてあげましょう。
◆折りダメ、切りダメができます。折りダメは、繊維が残るためゆっくりとためて折ると思うよなうにためられます。切りダメは、ためたいところに、枝の3分の1まで切り込みを3本入れてためます。好きなようにためられます。
山茱萸の切り方
木のお花なので、枝を切る際には斜めに切り、水をたくさん給水できるようにしましょう。太い枝は、斜めだけでなく、十字に切ってあげると良いでしょう。
山茱萸の水揚げ
山茱萸は、水揚げはよく、下がり難くもありません。
逆に、いける際にためを効かせたいという時には、水につけずに置いておくと、少しではありますが柔らかくなりためやすくなります。
山茱萸におすすめの花器
このようなシンプルでどのお花にも合うような花器が、山茱萸を入れるには良いかもしれません。この花器ならただ入れておくだけで山茱萸が綺麗に見えることでしょう。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

華道家元池坊のお生花をいけるポイント

◆若木は真の活け方、古木は行の活け方をします。
◆腰を高めにいけるとよい。
◆朴(まっすぐな太い枝)を入れると格が上がります。
→真前の前に入れる場合、「真の前あしらい」となる。腰高め。長さは副より短め。副が強い時などに有効。
→真と副の間に入れる場合、「副のあしらい」となる。体が重く、副が軽い場合などに有効。
◆副が波打つようになると良い。
◆体先には、小枝がたくさんついている枝を使うと良い。
◆1種活けの時には、必ず体奥を入れる。その際、古い枝で前後に入る枝が良い。
明日はどんな手仕事する?
私は、山茱萸のお生花がとても好きです。
いろんな技法や手法も使いましたが、何より枝と向き合い、ためが効くからといって枝に無理をさせず、できる限り自然な姿で活けるのが、山茱萸を山茱萸らしく活けるコツなのではないかと思います。
又木配りの後ろの留めもなく、足元がぴったり入り、お花が綺麗に入った時の気持ちよさは、「どうだ」と言わんばかりの快感です。
お生花は、そのお花の出生を生かした活け方です。
そのお花本来の姿、特徴、性質などを知った上で活けていくと、自然と上達してくると思います。
参考書ばかり見ていないで、本来の咲いている姿を見るために足を使うと良いかもしれません。咲いている姿を見るのはとても参考になります。
それでは、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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