穀雨とは
春に降る雨は、まさに穀物のための雨。
雨の後に、田畑はもやっと陽炎が立ち、一雨ごとに黒々としてきます。
穀物を育てるのに、春の雨が恵みを与えてくれるという意味です。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは
二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽年を太陽の黄経に従って24等分して、季節の指標となるのに用いる語になります。中国より伝わったもので、その等分点を名付けているのが、この二十四節気です。
暦の上での四季は、これで分けられています。
二十四節気は、月の満ち欠けに応じて日にちが変わるため、節気の第1日目の日にちがその年により前後します。
1つの節気は、約15日間です。
穀雨の七十二候
七十二候(しちじゅうにこう)とは
七十二候(しちじゅうにこう)とは、元々中国で考案されたものを、江戸時代に日本に合わせて作り変えられたものです。旧暦で1年を72に分けた5日間または6日間を1候とし、その時候の天気や動植物の生態の微妙な変化を示したものです。季節と上手に付き合いながら暮らす様が、それぞれの言葉に著されています。
地球温暖化により、多少のずれは感じられることもありますが、ほぼその時期にその事が起きる七十二候は、季節を気が付かせてくれる「季節のお知らせ」とでもいうのでしょうか。
初候「葭始生(よしはじめてしょうず)」4月20日~24日
葦(あし)や葭(よし)という植物が芽を吹き始める頃という意味になります。
「葦・葦」は、「夏の七草」のひとつです。
「葦・葦」については、「夏の七草」をご覧ください。↓↓↓
次候「霜止出苗(しもやんでなえいず)」4月25日~29日
夜間の冷え込みがなくなり、霜が終わり、稲の苗が生長する頃という意味になります。
末候「牡丹華(ぼたんはなさく)」4月30日~5月4日
牡丹の花が咲く頃ということです。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
小学校2年生の時の担任の先生が教えてくれました。
牡丹は、20センチにもなる大輪のお花。お花の中では、大輪は短く使うと綺麗だと言われています。座った姿のように、牡丹は短く使っても存在感があります。
穀雨の頃のしつらえ「掛け軸」
「掛け軸」は、1年を通してのしつらえになりますので、穀雨だからというわけではないことをご了承くださいませ。
ただ、「掛け軸」は、季節ごとに変えたり、暦で変えたりという方が多いのではないでしょうか。
「穀雨」の後の二十四節気は「立夏」になります。暦の上では、夏になります。
今のうちに、夏の掛け軸を用意しておくのは、いかがでしょうか。
穀雨の頃に旬を迎える食べ物「空豆」
「空豆」は、「5月豆」とも言われます。
地物は5月に収穫されますので、5月になるのが毎年楽しみでしたが、現在では、年明けから空豆がスーパーには並んでいます。
年中スーパーにある野菜にも旬の時期はありますが、ハウス栽培が発達した現在では旬の時期もわからなくなります。
「空豆」はそのようなことはなかったのに、常に出回ってしまうと、「5月豆」ではなくなってしまいますし、暦の上で夏になったから食べたくなる「空豆」の価値も半減してしまいますね。
外皮をつけたまま焼いて食べるもよし、外皮は外して茹でるもよし、ビールのお供に最高な「空豆」をこの時期に食べたいですね。
ちなみに筆者は、アルコールが全く飲めません。でも酒のつまみは大好きです。
穀雨の頃に食べる和菓子「どら焼き」
「どら焼き」は通年食べられるもので、季節は問いませんが、ここでの紹介となります。
「どら焼き」とは、小麦粉、卵、砂糖を使った小ぶりの生地で餡を挟んだもの。平たい鉄板のようなもので焼く焼き菓子になります。現在の形になったのは、明治以降。名前の由来は、打楽器の銅鑼に形が似ているからという説と、銅鑼という鉄板で焼くからという説があります。関西では「三笠」と呼ばれます。
自分で作る際には、餡の挟むタイミングが重要です。焼いた生地が熱いままだと餡が傷んでしまい、冷めてからでは、挟みにくくなってしまいます。注意しましょう。
「どら焼き」についてはこちら ↓↓↓
今時とでもいうのでしょうか。生クリームがたっぷり入った「生どら焼き」です。
こちらからお取り寄せができます。↓↓↓
穀雨の頃に咲くお花「藤」
「藤」の花が咲く頃です。
「藤」は、自分では立って咲くことができないため、他の木に巻き付き伸び、花を咲かせます。自生の藤は、山の斜面などの何かの木に巻き付き、お花が垂れ下がるため、山一面が藤色になることも。ちょうど新緑の季節なので、緑と藤色のコントラストがとても素敵です。
いけばなでも、「松かけ藤」という技法があり、男性的な松に女性的な藤を巻き付けいけることがあります。松に寄り添った藤が、なんと綺麗に見えることでしょう。
写真は、静岡県藤枝市にあります蓮華寺池公園の長藤です。1mほどある長い藤が、藤棚から垂れ下がり、圧巻です。
明日はどんな手仕事する?
葦が出てくるころといえば、アイリス系のお花たちも、葉が伸びてくるころです。葦は、水辺が好きなので、池や沼地に出てきますが、アイリス系も池が好きなものと沼地が好きなものがあります。
残念ながら、アヤメは、湿地を嫌いますので、普通に土のある里に咲きます。
アイリス系は、見分けがつきにくいので、花や葉だけでなく、生えている地を見るのも、1つのポイントかもしれません。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
次の二十四節気「立夏(りっか)」
次の二十四節気は「立夏(りっか)」です。↓↓↓
季節の手仕事の関連記事
◆「暦としつらえの季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓
◆「季節の手仕事カレンダー」はこちら ↓↓↓
◆「食材別季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓
◆「和菓子の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓
◆「お花の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓
◆「おすすめの食材店と旬の食材探しで訪れたい道の駅」のまとめ記事はこちら ↓↓↓
コメント