【季節の指標 二十四節気、七十二候「啓蟄(けいちつ)」】期間:2025年3月5日~19日

 3月にしたい手仕事




啓蟄とは

啓蟄(けいちつ)とは

啓蟄とは、冬眠していた動物や虫たちが土の中から這い出てくる、動き出す時期ということです。

「啓」はひらく、「蟄」は虫の冬ごもりを示します。

立冬に松などに着けた「こも」を外すのも、「啓蟄」です。外した「こも」は、どのような虫が付着しているかを研究し、焼かれます。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽年を太陽の黄経に従って24等分して、季節の指標となるのに用いる語になります。中国より伝わったもので、その等分点を名付けているのが、この二十四節気です。

暦の上での四季は、これで分けられています。

二十四節気は、月の満ち欠けに応じて日にちが変わるため、節気の第1日目の日にちがその年により前後します。

1つの節気は、約15日間です。

啓蟄の七十二候

七十二候(しちじゅうにこう)とは

七十二候(しちじゅうにこう)とは、元々中国で考案されたものを、江戸時代に日本に合わせて作り変えられたものです。旧暦で1年を72に分けた5日間または6日間を1候とし、その時候の天気や動植物の生態の微妙な変化を示したものです。季節と上手に付き合いながら暮らす様が、それぞれの言葉に著されています。

地球温暖化により、多少のずれは感じられることもありますが、ほぼその時期にその事が起きる七十二候は、季節を気が付かせてくれる「季節のお知らせ」とでもいうのでしょうか。

初候「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」3月5日~9日

土の中で冬籠りをしていた虫たちが、土から出て姿をみせる時期ということです。

春の光を浴びて、温かくなった土から這い出る様子を「戸を啓く」と表現しています。

次候「桃始笑(ももはじめてわらう)」3月10日~14日

花桃20230404
花桃

固かった桃のつぼみが膨らみ、桃の花が咲き始める時期ということです。

桃の花が咲き始める姿を「笑う」と表現するところが、春らしくて微笑ましいですね。

末候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」3月15日~19日

油菜や大根の葉につく青虫が、厳しい冬を越えて、ふ化して紋白蝶(もんしろちょう)に生まれ変わる時期ということです。紋白蝶とは、白い羽にある黒い斑点を紋に見立ててつけられた名前です。ひらひらと舞い始める蝶を、みんなが待ち望んでいます。

啓蟄の頃のしつらえ「春に衣替え」

啓蟄のころになると、コートを脱ぎ始める頃になります。

今でいう「衣替え」ですが、昔は「行李」に入れた着物の入れ替えを季節ごとにしていました。「行李」も見かけなくなりましたが、今では便利な衣装ケースもありますので、お洋服が虫に喰われることがなくなりました。良い世の中になりました。

コートや厚手のお洋服を片付けて、春らしいお洋服に衣替えをしましょう。

同時に、いらなくなったお洋服などを整理して、断捨離するのもおすすめです。

啓蟄の頃に旬を迎える食べ物「ふき」

蕗の薹をいただき、蕗の葉を塩漬けし、やっと本番の蕗が伸びてくる時期です。

啓蟄の頃の蕗は、柔らかくて筋もなくとても食べやすいです。

「蕗」のレシピなどは、こちら ↓↓↓

【季節の手仕事「蕗(ふき)」➃蕗】もっと知りたいふき!下処理やアク抜きが大変な蕗の手仕事
蕗とは、蕗の下処理、蕗のアク抜き方法、蕗の簡単レシピとして、蕗ラー油、きゃらぶき、蕗味噌をご紹介。大変と思われている下処理とアク抜きさえ覚えてしまえば、簡単にできるものばかりです。どれも冷蔵庫で保存できる保存食なので、あるととても便利です。




啓蟄の頃に食べる和菓子「甘納豆」

白花豆の甘納豆20220701
白花豆の甘納豆

甘納豆に季節はあまり関係ありませんが、年明けのお豆が味が安定して美味しくなります。

甘納豆とは、小豆、ささげ、えんどう豆、空豆、いんげん豆、花豆、黒豆、うずら豆、金時豆、栗、さつまいもなどを砂糖と共に甘く煮詰め、砂糖をまぶしてから乾燥させたものを言います。

いろんなお豆を一度に楽しむことができるのも甘納豆の魅力です。

また、甘納豆はお豆だけではなく、さつまいもや栗などからも作られます。

芋納豆20240130
さつまいもの甘納豆「芋納豆」

さつまいもで作る甘納豆「芋納豆」は、自分でも簡単に作ることができます。

「芋納豆」のレシピはこちら ↓↓↓

【季節の手仕事「さつまいも」⑧芋納豆】甘納豆?それとも和菓子の砂糖漬け?もっと知りたい芋納豆の手仕事
「芋納豆」とは、さつまいもを蒸し、砂糖と共に甘く煮詰め、グラニュー糖をまぶしてから乾燥させたものを言います。さつまいもの甘納豆とも、さつまいもの砂糖漬けとも呼ばれます。その「芋納豆」の時間はかかるけど美味しくて簡単なレシピを紹介しています。

お豆もさつまいもも、身体に良いものですので、ちょこっと甘いものを食べたい時には、罪悪感がなくておすすめです。

栗の「甘納豆」を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

啓蟄の頃に咲くお花「白木蓮」

はくもくれん20230309
2023年3月9日

個人的に、白木蓮が大好きで、この時期になるととてもわくわくします。

木蓮は、白い花の「白木蓮(はくもくれん)」と紫の花の「紫木蓮(しもくれん)」があります。

白木蓮は3月中旬に咲き、紫木蓮は3月下旬から5月にかけて咲きます。

白木蓮、紫木蓮の季語はともに春になります。

ぷっくりとしたかわいい蕾から、豪快に咲いていく姿は、1輪だけ見ていても綺麗なのに、木全体に咲くと圧巻です。

白木蓮十輪寺20180313

静岡県藤枝市にある十輪寺さんでは、この白木蓮が山一面に咲きます。お散歩しながら見ることができます。駐車場などを開放してくださっています。白木蓮がお好きな方はぜひ訪ねてみてください。

「木蓮」についてはこちら ↓↓↓

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明日はどんな手仕事する?

暦の上では2月頭の立春からが春なのですがまだまだ寒く、啓蟄を過ぎると、やっと本格的な春の訪れを感じます。

鶯も鳴き始めます。鶯も鳴き始めはたどたどしくて、聴いているこちらが「大丈夫かしら???」と心配してしまうほどです。これが不思議と2~3日もすると、しっかりした鳴き声に変わってきます。

ほのぼのとした春がやってきますね。

花粉症の私には、ツラい時期の到来でもあります。花粉症のみなさまもツラい時期を一緒に乗り越えましょう。

それでは、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

次の二十四節気「春分(しゅんぶん)」

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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