雨水(うすい)とは
雨水(うすい)とは、二十四節気の一つ。
寒い地域では、雪や氷が解け始め、雪が雨に変わる頃。また暖かい地域では、冬の間は少なかった雨が多くなり、春の兆しが垣間見える時期になるということです。
昔から雨水は、農耕の準備を始める目安とされました。
大雪が降る程寒い日が3日続くと、その後4日間ぐらいは春めいた暖かい日が続く「三寒四温」を繰り返しながら、だんだんと暖かくなり、春へと向かいます。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは
二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽年を太陽の黄経に従って24等分して、季節の指標となるのに用いる語になります。中国より伝わったもので、その等分点を名付けているのが、この二十四節気です。
暦の上での四季は、これで分けられています。
二十四節気は、月の満ち欠けに応じて日にちが変わるため、節気の第1日目の日にちがその年により前後します。
1つの節気は、約15日間です。
雨水の七十二候
七十二候(しちじゅうにこう)とは
七十二候(しちじゅうにこう)とは、元々中国で考案されたものを、江戸時代に日本に合わせて作り変えられたものです。旧暦で1年を72に分けた5日間または6日間を1候とし、その時候の天気や動植物の生態の微妙な変化を示したものです。季節と上手に付き合いながら暮らす様が、それぞれの言葉に著されています。
地球温暖化により、多少のずれは感じられることもありますが、ほぼその時期にその事が起きる七十二候は、季節を気が付かせてくれる「季節のお知らせ」とでもいうのでしょうか。
初候「土脉潤起(どみゃくうるおいおこる・つちのしょううるおいおこる)」2月18日~22日
雨が降って土が湿り気を含むようになる時期ということです。一雨ごとに、少しだけ暖かさを感じるようになります。
「脉」は、山や川が筋だって続く様を表す「脈」のことをいいます。
次候「霞始たなびく(かすみはじめてたなびく)」2月23日~27日
大気中に細かな水滴やちりが増え、春霞がたなびき始めて山のふもとなどに白くぼうっと霧がかかる時期ということです。
末候「草木萌動(そうもくきざしうごく)」2月28日~3月4日
暖かい日差しに誘われるかのように、草木が芽吹き始めるようになる時期ということです。
毎年、芍薬の芽が出てくる頃です。
雨水の頃に旬を迎える食べ物 「蕗の葉」
その年の初めて蕗の薹を食べた時ほど、「春が来た」と思えることはありません。
蕗の薹は、天ぷらにしたり、蕗味噌にしたり、毎年、絶対に食べきります。うちでは、薹が伸びて花が開くことなど、ありません。全部食べてしまいます。そのくらい、大好きです。
蕗の薹が終わると、「蕗の葉」が出てきます。「蕗の葉」よりもその茎である葉柄を「蕗(ふき)」といい、煮物にしたり、きゃらぶきにしたりして、皆さんご存じかと思います。その蕗が伸びてくる前の、この時期、まだ柔らかい「蕗の葉」をいただきます。
蕗の葉は、湯通しして水につけてアク抜きをし、塩漬けや佃煮にします。塩漬けにした蕗の葉をおにぎりに包んで食べると、なんと春の味でしょう。蕗の香りのするおにぎりは、この時期にしか食べられないものです。
このような手仕事は、知らなければ、全く知らないでしょうし、蕗の葉の存在さえ知らない方もいるのではないかと思います。蕗の薹や蕗は、スーパーにも並びますので皆さんご存じでしょうが、蕗の葉を食べられる方は、本当に少ないのではないかと思います。
でも、これは美味しいです。春になると食べたくなる味です。この味を知っていただきたいです。
蕗の葉が柔らかく食べられる期間は短いです。3月いっぱいが、柔らかい時期です。蕗についての手仕事はすべてこの記事に記しております。ぜひ参考になさってみてください。 ↓↓↓
雨水の頃に愉しむ和菓子 「練切」
「練切(ねりきり)」は、季節関係なく1年中あるものですが、春の練切はお花などをモチーフにしたものが多く、ここに書かせていただきました。
「練切」は、それぞれの時期や季節にそれぞれの「練切」があります。
日持ちのしない上生菓子の分類になります。練りものが多く、 白餡にみじん粉や求肥などのつなぎを加え、練り上げて作ります。
「練切」には、それぞれの作品名のような名前がついています。
和菓子は、目で愉しみ、口で味わい、鼻で香りを愉しみ、触って柔らかさや硬さを愉しみ、耳で名前や説明を聴き、五感で愉しむものとされます。
「練切」の名前ひとつひとつに意味があること、知っているだけで心が豊かになれます。
「練切」についてはこちら ↓↓↓
地元松崎の梅月園さんの「練切のセット」です。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓
雨水の頃に咲くお花 「まんさく」
「まんさく」は、1つの花に花びらが4枚あります。本当に個性的な花びらです。花びらを見ただけでも、不思議なイメージをかもしだすお花です。
「まんさく」についてはこちら ↓↓↓
雨水の頃のしつらえ 「喜捨」
春の生活の変化を前に、「しつらえ」になるのかはならないのかはわかりませんが、「喜捨」について考えてみます。
「喜捨(きしゃ)」という言葉をご存知でしょうか???
字からすると、「喜んで捨てる」と書きます。
もともとは仏教用語で、お坊さんなどに、施し物を惜しむことなく喜んですることを言うそうです。昔よく、お坊さんが家などを廻り、お米などをいただくとその方にお祈りしてくださっていたことです。
物に執着することをやめて、すべての事から解放され、喜んで捨てることで自由を獲得する…喜捨をすることで、心が穏やかになれるということです。
「断捨離」する
「喜捨」とは少し違いますが、何年も前から「断捨離」という言葉が流行ってます。
この「断捨離」という言葉が出始めた頃には「物を捨てて、物を減らして、スッキリしよう」という意味でしか考えていませんでした。
コロナでおうち時間が増えたこともあり、断捨離をした方も多いのではないでしょうか。私も、かなり物が減りました。
その時もかなりスッキリした気分にはなりましたが、全部が全部、捨てた訳でもなく、まだまだ物はたくさんある状況でした。
もともと物が多いという訳でもなく、整理は出来ている方で探しものに時間がかかるということはないのですが、物持ちが良く長年愛用しているものが多いタイプです。
最初のコロナの時に捨ててからというもの、日常品以外は新たに買うものはほとんどなくなり、スッキリした気分のまま過ごしてきましたが、ここにきて、また新たにかなり捨ててみました。
これは、前回捨てきれないで片付けておいたものを、少し時が経って、やはりいらないと思い、捨てた形です。
断捨離にも、いろいろなやり方があるでしょう。
テレビ番組で特集するような断捨離は、一気にすべて捨ててしまうような感じですが、私は、少し時間をおいて、やはりいらないと判断して捨てるようにしました。ですので、罪悪感のようなものもありませんでしたし、また、スッキリしたと思えました。
そして今やっていることは、一気に大掃除をするのではなく、毎日10分とか多くて30分という、少しの時間での断捨離をして、また少しずつ減らしています。
本当の意味の「喜捨」ではありませんが、喜んで捨てるというよりも、捨てることで喜びが増えてきています。
綺麗なることはもちろん、物が少なくなることで、時短にもなりますし、とにかく生産性が上がるようになりました。今まで以上に、スムーズな生活ができている気がします。
究極は「ミニマリスト」
更に今流行っているのが、「ミニマリスト」です。
必用最低限の持ち物だけで暮らしていく。
それもわかる気がします。
なるべく物を持たない生活へとシフトをしていくことで、物がある生活よりも本当に心が穏やかになれます。物はなくても、幸せにはなれると実感しています。
「ミニマリスト」まではなれませんが、「喜捨」という言葉を忘れずに、心に留めていたいと思います。
明日はどんな手仕事する?
コロナにより、世の中は激しく変化しました。
だから、全てを変えなければいけないという訳ではありません。ただ、身軽になって、動きやすい方が、心も身体も頭の中も、次に対応しやすいのではないかと思います。
今、かなりの物を手放したら、新たに入ってくる良いことがたくさんあって、それが「喜捨」なのかと不思議に思っています。
私が言うことなので、信じられないかもしれませんが、もし今、迷うことなどがあるなら、物を捨ててスッキリすると何か良いことが起きるかもしれません。
みなさんも、挑戦してみてください。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
次の二十四節気「啓蟄(けいちつ)」
次の二十四節気は「啓蟄(けいちつ)」です。↓↓↓
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