【季節の手仕事「柿」⑦干し柿の品種と産地】全国の美味しいことで有名な「干し柿の品種名とその産地」一覧

10月にしたい手仕事

全国の美味しいと言われることで有名な「干し柿の品種とその産地」の紹介です。

「干し柿の品種名」というものは少なく、干し柿が作られる柿の名前や地名などが「干し柿の名前」となって呼ばれていることが多いことから、わかりやすいように「その産地」とセットでの紹介となります。

お好みの干し柿を見つけてみてください。

産地の都道府県を北から順に並べてあります。




南部町の干し柿・青森県三戸郡南部町

◆産地

青森県三戸郡南部町

◆柿の品種

妙丹柿

◆干し柿の分類

ころ柿

◆干す期間

40日間冷たい風にさらします。

◆出回り時期

1月下旬~。

◆特徴

雪の多い地域のため、屋根のある所に干しますので、日には当てません。寒ければ寒いほど甘みが増して良い干し柿ができます。

丸森町のころ柿・宮城県伊具郡丸森町

◆産地

宮城県伊具郡丸森町。

町の約100軒の農家さんが干し柿を生産しています。

◆柿の品種

蜂屋柿

◆干し柿の分類

ころ柿

◆干し柿の大きさ・重さ

約10センチほど

◆作り始め時期

11月上旬~

◆干す期間

約1ヶ月程

◆出回り時期

12月上旬~

◆特徴

寒風にさらすことで、甘みを引き出しています。

伊達市のあんぽ柿・福島県伊達市梁川町

伊達市梁川町五十沢(いさざわ)地区は、あんぽ柿発祥の地と言われています。

◆産地

福島県伊達市梁川町五十沢

◆柿の品種

蜂屋柿、平核無柿など

◆干し柿の分類 

あんぽ柿

◆作り始め時期

11月中旬~

◆干す期間

皮をむき、ひもに結び付けたあと、乾燥を促し、30分程硫黄でいぶして、1ヶ月程干します。

◆出回り時期

12月中旬~2月頃

今庄つるし柿・福井県南越前町

◆産地 

福井県南越前町今庄。今庄は、豪雪地帯で晴れる日が少なく、干し柿を外で干せず、囲炉裏の上で柿を干していたのがきっかけで、いぶすようになったそうです。

◆柿の品種 

長良(ながら)という柿を使います。

◆干し柿の分類 

いぶし柿

◆歴史 

450年以上続く作り方を伝承されています。

◆干し柿の大きさ・重さ

中型から大型。

◆作り始め時期

11月から12月上旬の間に作られます。

◆干す期間

柿専用の横幅3センチほどの竹製の皮むき器を使い、皮をむきます。皮をむいて1日干した後、専用の小屋でいぶします。室内でナラやケヤキの薪を炊き、室温を40度くらいに保ちながら、6日間いぶし続けます。

◆特徴

「1つ食えば1里、3つ食えば3里歩ける」と言われるほど栄養価が高く、江戸時代には旅人にも好まれたと言われています。

甲州百目柿の干し柿・山梨県甲州市

◆産地

山梨県甲州市

◆柿の品種

甲州百目柿

◆干し柿の分類

ころ柿

◆歴史

山梨県内では、400年近く前から生産されています。

◆干し柿の大きさ・重さ

10センチ近くある大きな干し柿

◆作り始め時期

11月

◆干す期間

約1ヶ月

◆出回り時期

12月中旬頃

市田柿・長野県伊那郡高森町

市田柿は、「渋柿の品種名」ではありますが、「干し柿の商標名」としても有名です。

◆産地

長野県伊那郡高森町(旧市田村)

飯田市と下伊那地方で製造したもののみが、「市田柿」を名乗ることができます。

◆柿の品種

市田柿

◆干し柿の分類

硫黄燻蒸するころ柿

◆歴史

江戸時代、柿の栽培が盛んで、焼き柿で食べていました。

1922年(大正11年)、ころ柿として加工されるようになり「市田柿」の名前が誕生します

1950年(昭和25年)、干し柿の「市田柿」が商品化されていきます。

2004年(平成16年)、市田柿の商標の衛生マニュアルに基づき、管理されるようになりました。

◆干し柿の大きさ・重さ

約100gくらいと、干し柿にしては小ぶり

◆作り始め時期

10月下旬~

◆干す期間

まずは、硫黄燻蒸します。10日~2週間ほど渋が抜ける半分干し上がった状態でヘタを切り、寝かせと天日干し、もみを繰り返し、白い粉を噴かせます。天日干しとはいえ、現在では衛生上、干し柿専用のハウスの中で乾燥させます。

◆特徴

市田柿は、7.5割まで水分を飛ばしたドライフルーツ並みの干し柿となります。

◆栄養価

ポリフェノールが、干しぶどうの約3倍にもなります。

◆お取り寄せ

人気の「市田柿」を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

堂上蜂屋柿の干し柿・岐阜県美濃加茂市

◆産地

岐阜県美濃加茂市(旧蜂屋村)

◆柿の品種

堂上蜂屋柿

◆干し柿の分類

ころ柿

◆歴史

平安時代、朝廷に干し柿を献上した記録が残っています。

◆干し柿の大きさ・重さ

約60g以上にもなります。

◆作り始め時期

10月下旬~

◆干す期間

寒風と天日干しにすること30日。約4分の1の重さにまでなります。

◆出回り時期

11月下旬~」

◆特徴

大きく育てるために1つの枝に1個だけを残して摘果される堂上蜂屋柿で作った干し柿。

糖度は65度にもなる甘い干し柿です。




尾道柿園の干し柿・広島県尾道市

◆産地

広島県尾道市

◆柿の品種

西条柿

◆干し柿の分類

ころ柿

◆歴史

江戸時代から作られるようになりました。

◆干し柿の大きさ・重さ

8センチほど

◆作り始め時期

10月~

◆干す期間

約40日間、日と風に当てます。

◆出回り時期

12月~

◆特徴

「尾道柿園」は、標高300mの山頂にあり、日当たりが良く、霧がでないことから、干し柿の産地となっています。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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