菊は、園芸上では大きさから「大輪菊」「中輪菊」「小菊」などに分類され、更に大輪菊の(花びらの)形状として、「厚物」「菅物」「大掴み」などに分けられます。
大輪菊
「大輪菊」とは、お花の面(直径)が、10センチ以上ある1輪の大きな菊をいいます。
①厚物 あつもの
菊の花の高さに厚みがあり、半球状に咲く菊のタイプです。
厚物(あつもの)
花びらが幾重にも重なり、花の厚さ(高さ)があるタイプの大きな菊です。
厚走り(あつばしり)
厚物の菊の外側の花びらが長く垂れ下がっているタイプです。
長く垂れ下がる花びらのことを「走り弁」といいます。
②菅物 くだもの
花びら1つ1つが管のようになっているタイプの菊です。
くるんと丸まった花びらの先の内側に、穴が開いています。
「太管」
花びらが管になっていて、花びらが3~5mmの太いタイプです。
「間管」
花びらが管になっていて、花びらが2~3mmの太さのタイプです。
「細管」
花びらが管になっていて、花びらが細く1~2mmの花火のようなタイプです。
「針菅」
花びらが管になっていて、花びらが1mm以内の極細タイプです。
「長垂」
花びらが管になっていて、外側の花びらが長く垂れ下がっているタイプです。
③大掴み(おおつかみ)
花のトップ(頂点)の部分を手でつかんだようなタイプと、入道雲のような形をしている花の厚み(高さ)がある「雲咲き」のタイプがあります。
中輪菊
中輪菊は、お花の面が5~10センチ程の菊です。
江戸時代中期に、各地の殿様の保護奨励により、地域独特の菊が作られ、各地域の名前がつけられ発展しました。それらの菊の総称を「古典菊」といい、その頃に主流だった菊の大きさが中輪菊になります。
よって、中輪菊の分類が、ほぼ「古典菊」の種類となってしまいます。現在では、これら「古典菊」の大きさにも、大輪菊や小輪菊などもあるようです。
地域を北から順に並べてあります。
奥州菊
現在の青森地方で発達した菊です。
奥州菊は、大輪菊でも紹介した「大掴み」というタイプの小ぶりのタイプです。
江戸菊
江戸で発達した中輪の菊です。
一度平に咲いたのちに、花びらが立ち昇ったり、ねじれたり、折れ曲がったり、乱れ咲く菊です。
「狂い菊」「芸菊」とも呼ばれ、人気となりました。
美濃菊
現在の名古屋市や岐阜地方で発達した菊です。
花びらが太い八重咲きのタイプです。
伊勢菊(松阪菊)
現在の三重県の伊勢地方で発達した菊です。
中輪の菊を伊勢菊といい、大輪の菊を松阪菊といいます。
花びらが垂れ下がるのが特徴です。
嵯峨菊
京都の嵯峨地方で発達した菊です。
一度平に咲いたのちに、花びらが立ち上がり、茶道で使う茶筅のように咲きます。
肥後菊
現在の熊本県で発達した菊です。
肥後菊は、長い間、栽培方法を門外不出とされており、限られた人だけが作ることを許されていませんでした。
丁字菊
丁字菊は、花びらの中心が筒状で、外側が舌状のタイプです。
地域は特になく、産地の湿地に自生します。変わって
奈良時代に中国から薬草として渡来し、江戸時代に栽培された古典菊です。
小輪菊 小菊
小菊は、お花の面が2~3センチ程の菊です。
小菊は、薊菊(あざみきく)、魚子菊(ななこきく)、貝咲き菊などがあります。
薊菊(あざみきく)・薊咲き(あざみさき)
キク科トウヒレン属。多年草。陽当たりの良い山地の草原に自生します。草丈は直立し、約1メートルにもなります。開花時期は9月。花の色は、紅紫色。花径は1センチほどで、アザミのような花の形をした花がスプレー状に咲きます。
魚子菊(ななこきく)・魚子咲き(ななこさき)
貝咲き菊
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