【和菓子⑨たくさんある和菓子の「~菓子」の種類】種類が多く区別ができないお菓子の種類を紹介

 1年を通して食べられる和菓子

和菓子には、「~菓子」という言葉がたくさん使われています。そのわかりにくい「~菓子」という言葉の違いを紹介します。

あいうえお順に並んでいます。




「~菓子」種類一覧

あさなまがし 朝生菓子

生菓子のうち、その日の朝作られ、その日のうちに食べる、日持ちがしない餅や団子、葛菓子、小麦饅頭などのことをいいます。日常のお菓子が多く、「並生菓子」ともいいます。

えとがし 干支菓子

新年の干支にちなんで作られるお菓子をいいます。

おだいがし お題菓子

宮中歌会始のその年のお題にちなんだ創作菓子。

おとめがし お留め菓子

定められた注文主のためだけに作るお菓子のことをいいます。

おもがし 主菓子

茶の湯で濃茶と共に供される生菓子をいいます。季節感のあるものが多くなります。

かじょうがし 嘉祥菓子

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きょうがし 京菓子

町人文化が華やいだ元禄時代(1688~1704年頃)。砂糖は、「白い黄金」と呼ばれるほど貴重なもので、輸入された高価な砂糖を使い、砂糖を使った菓子を作るお店や、それを買う者も増えていきました。砂糖を使ったお菓子が高級だったことから、上等な菓子が「上菓子」と呼ばれるようになりました。江戸で呼ばれた「上菓子」に対して、京都で作られたお菓子は「京菓子」と呼ばれ人気となりました。

京都で作られたすべてのお菓子のことをいうわけではなく、有職故実による儀式典礼に用いる菓子、または、茶道に用いる菓子のことを「京菓子」といいます。砂糖を使い、2種以上の原料を使用するもののことをいいます。

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こうげいがし 工芸菓子

工芸菓子金魚20170802日本橋鶴屋吉信
「工芸菓子 金魚」 鶴屋吉信さんの東京日本橋店に飾ってあったもの 2017年8月2日

生砂糖などを使って、花鳥風月などを写した姿形の飾り菓子。江戸時代に朝廷や公家に献上したのが始まりとされます。「糖芸菓子」ともいいます。

このみがし 好み菓子

江戸時代中期以降、大名や茶人がプロデュースしたお菓子のことをいいます。

しきがし 式菓子

→「引菓子」をご覧ください。

しゅうぎがし 祝儀菓子

→「引菓子」をご覧ください。

じょうがし 上菓子

町人文化が華やいだ元禄時代(1688~1704年頃)。砂糖は、「白い黄金」と呼ばれるほど貴重なもので、輸入された高価な砂糖を使い、砂糖を使った菓子を作るお店や、それを買う者も増えていきました。砂糖を使ったお菓子が高級だったことから、上等な菓子が「上菓子」と呼ばれるようになりました。茶席に限らず、おもてなしの場で出したり、贈答品に使われる上等な菓子のことをいいます。

また、京都では献上菓子のことを「上菓子」いいます。

じょうなまがし 上生菓子

練切20161217
練切「山茶花」

生菓子のうち、茶席などで使われるこなし、練切、求肥、きんとんなどの蒸し菓子のことをいいます。

「上生菓子」のセットを、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

だかし 駄菓子

「駄菓子」というと、昔ながらの子供たちが食べる懐かしい安価なお菓子といったイメージがありますが、江戸時代には、砂糖を使った上等なお菓子のことを「上菓子」というのに対し、庶民が食べるお菓子のことを「駄菓子」と呼んでいました。

江戸時代の「駄菓子」とは、黒糖、でんぷん飴などの甘みを使い、葛、米の粉、粟、豆などで作ったお菓子の総称をいいます。

とうげいがし 糖芸菓子

→「工芸菓子」をご覧ください。




なまがし 生菓子

和菓子の分類の中で、出来上がりの水分量が30%以上のお菓子を「生菓子」といいます。「生菓子」は、日持ちしません。茶席では濃茶用の主菓子として使われます。

「生菓子」に対して、半生菓子や干菓子があります。

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なみなまがし 並生菓子

→「朝生菓子」をご覧ください。

なんばんがし 南蛮菓子

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ばんちゃがし 番茶菓子

普段の番茶に添えるような、饅頭、団子、煎餅などのお菓子をいいます。

はんなまがし 半生菓子

和菓子の分類の中で、出来上がりの水分量が10%~30%のお菓子を「半生菓子」といいます。

「半生菓子」は、生菓子と干菓子の中間素材で、干菓子ほど日持ちせず、生菓子よりは日持ちする、独特の個性を持つお菓子です。

「半生菓子」の詳しいお菓子の分類はこちら ↓↓↓

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ひがし 干菓子

乾製の菓子の総称です。生菓子、半生菓子に対して付けられたものです。

和菓子の分類の中で、出来上がりの水分量が10%以下のお菓子を「干菓子(乾菓子、惣菓子)」といいます。日持ちし、茶席では、薄茶と合わせます。

「干菓子」の詳しいお菓子の分類はこちら ↓↓↓

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ひきがし 引菓子

祝儀や不祝儀の引き出物の菓子をいいます。

「式菓子」「祝儀菓子」「不祝儀菓子」ともいいます。

ぶしゅうぎがし 不祝儀菓子

→「引菓子」をご覧ください。

まきものがし 蒔物菓子

→「朝生菓子」をご覧ください。

みずがし 水菓子

本来は、「果物」のことをいいます。懐石料理や会席料理の最後に出されるデザートが「水菓子(果物)」です。

現在では、夏に食べる和菓子の「水羊羹」や「水まんじゅう」、「ゼリー」など水分の多いお菓子のことを「水菓子」と言ったりもしますが、正式ではありません。

むしがし 蒸し菓子

蒸籠や食籠で蒸されて作られるお菓子です。薯蕷まんじゅうやそばまんじゅうなどが人気です。温かいまま食べることができる蒸し菓子は、寒い時期に喜ばれます。

もんぜんがし 門前菓子

神社や大社、お寺さんの門の手前にあるお茶屋さんや菓子やさんにある菓子のこと。お参りをする参拝者がそこで食べたり、お土産にしたりするお菓子です。種類はいろいろありむ。それぞれの名物などがあります。有名なところを紹介します。

川崎大師(神奈川県) 「久寿餅

今宮神社(京都府) 「あぶり餅

伏見稲荷大社(京都府) 「きつね煎餅」

長谷寺(奈良県桜井市) 「女夫(めおと)まんじゅう)」

大宰府天満宮(福岡県) 「梅が枝餅

上記はほんの一部です。全国にはたくさんの門前菓子があります。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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