【和菓子の老舗からみる和菓子の歴史➃】大正時代創業の約100年続く老舗が作り続けているもの

期間が短い大正時代ではありますが、西洋の文化が一般にも広まり、近代化され華やかな印象がある一方で、戦争や災害などもあり、哀愁をおび、その沈んだ雰囲気が「大正ロマン」という言葉を作り上げたのでしょう。

大正時代創業の老舗さんからわかること

大正時代から続く老舗さんが作る菓子の種類

和菓子の世界では、今でも有名なお店さんがこの大正時代にたくさん創業しています。餅やまんじゅうなど1つの種類だけを作り続けるお店さんから、多種の菓子を作るお店さんが増えて、洋が広まりつつも、和の幅も膨らんでいる、そんな印象です。

大正時代からある老舗さんの地域性

大正時代の菓子の食べられ方

とはいえ、約100年続く老舗のお店さんばかりです。たくさんの物語が、和菓子の歴史を作っていることに感謝したいと思います。




大正時代(1912年~1926年頃)創業のお店

東寺餅 

◆創業 大正元年(1912年)

◆創業当時の商品 菓子

◆商品の変化 

戦後屋号を「東寺餅」とし、看板商品の求肥にメレンゲの入ったやわらかい「東寺餅」ができました。 

◆現在の商品 「東寺餅」「よもぎ大福」など

◆現在の住所 京都市南区。東寺前。朝7時から販売。

うさぎや 

◆創業 大正2年(1913年)

◆創業当時の商品 菓子

◆商品の変化 2代目の時に「どらやき」ができました。

◆現在の商品 「どらやき」など

◆現在の住所 東京都台東区上野。

「どらやき」は、東京三大どら焼きのひとつ。常に作り立てを提供しています。

福田屋

◆創業 大正2年(1913)年

◆創業当時の商品 菓子

◆商品の変化 2代目が、江戸時代から伝わる伝統銘菓「柚餅子」を松江の老舗「盛大堂」から継承。 

◆現在の商品 「柚餅子」「出雲」「若草」「朝汐」など

◆現在の住所 島根県松江市。

あいと電氣餅店

◆創業 大正5年(1916年)

◆創業当時の商品 青果店で販売する生のお餅の大福

◆現在の商品 生のお餅の大福、「いちご生大福」 など

◆現在の住所 福島県南相馬市。東京に支店あり。東京都渋谷区。代々木八幡駅近く。予約制です。

柳屋

◆創業 大正5年(1916年)

◆創業当時の商品 鯛焼

◆現在の商品 鯛焼

◆現在の住所 東京都中央区日本橋人形町。

柳月(りゅうげつ)「ながお菓まんじゅう」

◆創業 大正5年(1916年)

◆創業当時の商品 まんじゅう

◆現在の商品 「ながお菓まんじゅう」など。伊豆長岡温泉の旅館やホテルのお茶請けとしても有名です。

◆現在の住所 伊豆の国市。

京都嵯峨野 御菓子司 音羽軒

◆創業 大正5年(1916年)

◆創業当時の商品 菓子

◆現在の商品 おはぎ、いちご大福、柏餅など

◆現在の住所 京都市右京区嵯峨野。

寳月堂(ほうげつどう)

◆創業 大正6年(1917年)

◆創業当時の商品 菓子

◆現在の商品 「栗饅頭」「六万石」など

◆現在の住所 香川県丸亀市。

笹屋昌園(ささやしょうえん)

◆創業 大正7年(1918年)

◆創業当時の商品 菓子

◆商品の変化 昭和に入ってからできた「庭の石」が代表銘菓となっています

◆現在の商品 「庭の石」「丹波麿」など

◆現在の住所 京都市左京区。龍安寺近く。

二條若狭屋

◆創業 大正7年(1918年) 

◆創業当時の商品 「不老泉(葛湯)」

◆現在の商品 「不老泉」「家喜芋(やきいも)」「ふく栗」「やき栗」など 

◆現在の住所 京都市中京区。二条。




藤村山陰堂

◆創業 大正7年(1918年)

◆創業当時の商品 「源氏巻」

◆現在の商品 「源氏巻」「やまかげ」など。

◆現在の住所 島根県津和野町。

小松パン店

◆創業 大正11年(1922年)

◆創業当時の商品 パン

◆現在の商品 パン全般、「味噌パン」など

◆現在の住所 長野県松本市。牛乳パン(予約販売)で有名なお店です。

「味噌パン」は、菓子パン、蒸しパン、総菜パンなどに分けられますが、長野県で有名な「味噌パン」は、パンの分類ではなく、和菓子の焼き菓子として愛されています。

「小松パン店」の「味噌パン」は、イタリアのビスコッティをしっとりさせたような感じで、甘く、味噌の香りがふわっとする焼き菓子というのがわかるものになります。

加茂みたらし茶屋

◆創業 大正11年(1922年)

◆創業当時の商品 みたらし団子

◆現在の商品 みたらし団子、いそべ巻、わらび餅など

◆現在の住所 京都市左京区。みたらし団子発祥の地とされる京都下鴨神社門前にあります。

かさの家

◆創業 大正11年(1922年)

◆創業当時の商品 旅籠として始まり、同時に「梅が枝餅」の販売も行っていました。 

◆商品の変化 

「梅が枝餅」は変わらず、旅籠が茶房・ぎゃらりー、カフェ、お食事処へと変わっています。

◆現在の商品 「梅が枝餅」

◆現在の住所 福岡県太宰府市。

伊勢製餡所

◆創業 大正13年(1924年)

◆創業当時の商品 餡

◆現在の商品 餡各種、「伊勢あんもなか」など

◆現在の住所 三重県伊勢市。

亀十

◆創業 大正時代末期創業。

◆創業当時の商品 どら焼き

◆現在の商品 「どら焼き」

◆現在野住所 東京都台東区雷門。

「どら焼き」は、東京三大どら焼きのひとつ。すべて手焼き。もっちりとした生地。小豆あんと白あんがあります。待ち時間は覚悟で。ネット販売なし。

明日はどんな手仕事する?

大正時代創業のお店は、創業100年を迎えています。

どのお店さんも、続ける努力、伝える努力をされているのが、素晴らしいと思います。急激な変化を迎えている時代に動じることなく努力されている姿がどのお店さんからも伝わってきます。

今後は、もっと時代が変わっていくことでしょう。それでも変わりなく、伝承していっていただきたいと思います。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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