【季節の手仕事「山椒・木の芽」②木の芽】もっと知りたい木の芽!木の芽の手仕事とは?木の芽味噌のレシピ

 3月にしたい手仕事

『よく「木の芽」って聞くけど、何の木の芽なの?』と思われるでしょう。この木とは、山椒(さんしょう)の木です。あの、うなぎの蒲焼きにかける「粉山椒」の山椒のことです。

山椒の木の出てきたばかりの若い芽、新芽である葉のことを「木の芽」といいます。「木の芽」は、3月末頃から出始める春だけの貴重なものです。




木の芽の手仕事とは

「木の芽の手仕事」と言えば、「木の芽」を使うこと。

お料理に飾ることはもちろん、「木の芽味噌」を作ることは、春の愉しみのひとつなのではないでしょうか。

「木の芽味噌」を使うだけで、お料理の格が上がります。

「木の芽味噌」は、同じ時期に出てくるたけのことの相性も抜群です。

春の「木の芽味噌の手仕事」は、忘れてはなりません。

もっと知りたい「木の芽」について

木の芽20220409
2022年4月9日

木の芽(山椒)の科属

ミカン科サンショウ属。

木の芽の特徴

山椒は、香りを楽しむものといいますが、山椒の木が香るわけではなく、葉から香りがします。

「木の芽」を手のひらにのせて、パンっと叩くと清々しい香りが漂います。また、指で葉をこすると、指がしばらく香水をつけているかのように山椒の香りで包まれます。

この「木の芽」の香りを楽しんでください。

木の芽の季語

「木の芽」の季語は春になります。

木の芽を手に入れる方法

「木の芽」は、スーパーでも比較的手に入ります。もし見つけることができないようでしたら、4月から5月上旬でしたら、道の駅やファーマーズマーケットなどに行けば、手に入れることができるかと思います。

「木の芽」を使う時期

花山椒付き20220409
2022年4月9日

日本料理では、「木の芽」を使うのは、ひなまつりから立夏(5月上旬)までとされています。

暦の上での春までということになります。

暦の上で夏に入ると、若かった新芽の「木の芽」から、しっかりとした緑の葉の「葉山椒」と名を変えます。

参考までに、うちの「木の芽」が収穫できるのは、毎年4月上旬から5月上旬までになります。

「木の芽」の保存方法

「木の芽」は、乾燥してしまうと香りが飛んでしまうので、保存する際には、湿らせたペーパータオルなどに包み、保存袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。

木の芽の水揚げ20230419
2023年4月19日 水揚げ

「木の芽」を購入してきた、もしくは摘んできたなどで、水が下がってしまい、葉自体がよれっとなってしまった場合は、水に浸けてあげましょう。しばらくすると、元気に元に戻ります。よれっとなってしまったから、捨ててしまうなどはしないでくださいね。




「木の芽」を使う

「木の芽」は、お料理の飾りや香りに使います。

飾るだけでお料理がワンランクアップします。もちろん、食べることができます。

茶わん蒸しの飾り

炊き込みご飯の飾り

汁ものの吸い口

煮物の天盛りの飾り

春野菜の山椒炊き

味噌田楽

「木の芽」を使った定番メニュー  

「木の芽味噌」《保存食》

山椒味噌田楽20241128河口湖天下茶屋
2024年11月28日 山梨県富士河口湖町にある天下茶屋さんの「さんしょう味噌田楽」

飾るだけではない、「木の芽」を使ったメニューのレシピです。

春を感じさせてくれる「木の芽味噌」は、春の1シーズンに何回も作るほど、人気です。

《 材料 》

木の芽 20枚

西京味噌 もしくは白味噌 なければ家にあるお味噌 大さじ3

お酒 大さじ2

みりん 大さじ2

砂糖 大さじ1

《 作り方 》

①味噌、お酒、みりん、砂糖を混ぜ、味噌と砂糖が溶ける程度に軽く火にかけ、冷ましておきます。

みそ20230421
2023年4月21日

②木の芽は、洗ってキッチンペーパーで水気を取ります。

洗った木の芽20220510
2022年5月10日

③木の芽は、葉のみにし、茎からハサミで切り落とします。茎は捨てます。

➃葉は、みじん切りにし、すり鉢ですっておきます。ミキサーでもできますが、ミキサーの周りについてしまった分が回収できず、勿体ないので、みじん切りとすり鉢の方が効率がよいかもしれません。

すり鉢に擦った木の芽20230420
2023年4月20日

⑤①が冷めたら、すり鉢に入れ、すった木の芽と交ぜます。

すりばちで味噌作り20220510
2022年5月10日

しばらく置くと色が落ち着きます。タッパーなどに入れて、冷蔵庫で保存してください。

木の芽味噌20220420
2022年4月20日

西京味噌や白味噌がなかったので、家にあった合わせ味噌で作りました。

青寄せ(あおよせ)、寄せ菜(よせな)とは

京都の方が作られる「木の芽味噌」は、綺麗な緑色をしています。

これは、「青寄せ(あおよせ)」と言って、ほうれん草などの葉の部分の茎や軸の部分をとり、葉だけにしたものをみじん切りして、茹でて濾し、茹で汁の方を煮立てます。濾したものは、葉物として普通に料理に使えます。煮立てたらすぐに火を止めます。火を止めると、青みと汁に分離します。この青みを濾し器などに入れ、水分を抜きます。残ったものが「青寄せ」になります。「青寄せ」は「寄せ菜」とも言います。

この「青寄せ」をすり鉢で擂った木の芽に混ぜ、冷ました味噌を加えれば、綺麗な緑色に出来上がります。ひと手間かかりますが、これで「木の芽味噌」が、更に上級者の「木の芽味噌」になります。

私が習った上記の「木の芽味噌」のレシピでも、十分に木の芽の香りは感じます。お好きな作り方で、お試しください。

木の芽味噌は、少しだけピリッとしますが甘いお味噌です。

木の芽は、香りが強いので、入れ過ぎには十分にお気を付けください。

田楽、焼きおにぎり、白身の焼き魚、焼き餅などにつけてお召し上がりください。板前さんが作った上級コースの日本料理になります。

たけのこの木の芽味噌和え

自分で収穫したたけのこに木の芽味噌をつけていただきました。本当に贅沢です。

山椒のおすすめの逸品

山椒を育てると、毎年木の芽を楽しむことができます。山椒の苗を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

明日はどんな手仕事する?

「木の芽」の懐かしいエピソード。

小学生の時、家庭科の授業の調理実習で炊き込みご飯を作る授業がありました。当時、材料を自分たちで持ち寄ったのか、そこまで覚えていないのですが、スーパーに買い出しに行ったことを覚えています。その際に、どうしても仕上げに「木の芽」を飾りたくて、買って学校に持っていきました。もちろん、その当時「木の芽」の用途や味などは、知りませんでした。授業で炊き込みご飯を作り、木の芽を飾ると、先生にみんなの前でとても褒められたのを覚えています。今思えば、ませた子供でした。でも、どうしても飾りたかったのです。あの頃から、綺麗に飾りたいとか、綺麗に見せたいとか、上手に仕上げたいとか、そういった考えがあったのでしょう。でも、それが「木の芽」とのお付き合いの始まりなのかもしれません。今では、山椒の木を育てるようになりました。

初心忘るべからずとでもいいましょうか、忘れられないエピソードです。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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