【季節の手仕事「まんじゅう」】もっと知りたいまんじゅうの種類や品種まとめ!まんじゅうの種類の宝石箱!

 1年を通して食べられる和菓子




まんじゅうとは

「まんじゅう」は、和菓子の分類の中の水分的な分類としては、生菓子や半生菓子になります。

製法的な分類としては、蒸し物、揚げ物、焼き物などになります。

小麦粉などの粉を捏ねて、餡などを包み、蒸籠(せいろ)で蒸したり、焼いたりしたものをいいます。

「まんじゅう」と一括りに言いますが、細かい違いでかなりの種類があります。また、古くからあるものなので、地域としても広く、同じ名前でも地域によって製法や素材が違うといった幅の広いお菓子になります。

「まんじゅう」は漢字で書くと「饅頭」と書きますが、この「頭」という文字が使われたのは、その昔中国で川の氾濫がおき、その氾濫を治めるためには、人の首を49体川に流せば治まるという伝えがありました。ただ、そんなことはできないと、生首に見立てた小麦粉と羊の肉で作った人の頭の形をしたまんじゅうを流したところ、氾濫が治まったことから「饅頭」という漢字を使うようになったと言われています。

まんじゅうの歴史

630年から838年頃、遣唐使の方たちが持ち帰ったものの中にあった唐のお菓子「唐菓子(からくだもの)8種」と「果餅(かへい)15種」の中の1つに、「餛飩(こんとん)」という、羊の刻み肉を小麦粉の皮で包み、蒸したものが「まんじゅう」の先駆であるという説があります。ただ日本では当時、肉を食べる習慣がまだなかったため、小豆を入れたとされます。

また、中国の饅頭(まんとう)が伝来したものとも言われますが、鎌倉時代に聖一国師が伝えた虎屋饅頭(酒饅頭)という説や、林和清の子孫の林浄因(りんじょういん)が奈良に帰化して伝えたとされる今では日本三大まんじゅうのひとつとなった塩瀬饅頭(薯蕷饅頭)という説があり、定かではありません。

室町時代になって、野菜や塩味の小豆の餡が入ったまんじゅうが食べられるようになりました。まんじゅうは、他の菓子同様、甘い菓子ではなく、塩味や味噌味が一般的だったとされます。

江戸時代初期には、まんじゅうが嘉祥菓子の1つとなりました。当時は「まんじゅう」といったら「酒まんじゅう」のことだったようです。

日本最初の菓子製法の専門書で江戸時代中期の書『古今名物御前菓子秘伝抄』(1718年刊)に、まんじゅうや焼きまんじゅうの製法が記されています。

日本三大まんじゅう

日本三大まんじゅうと言われているものです。

◆「柏屋薄皮饅頭」 

柏屋さん。福島県。まんじゅうの種類は薄皮饅頭。

◆「志ほせ饅頭(塩瀬饅頭)」 

塩瀬総本家さん。東京都。まんじゅうの種類は薯蕷饅頭(塩瀬饅頭)。

◆「大手まんぢゅう」 

大手饅頭伊部屋さん。岡山県。生地に麹を入れ発酵させるまんじゅう。 

まんじゅうの種類・品種

種類、品種、固有名詞、製造、素材など「まんじゅう」とつくものを分類関係なく、あいうえお順にしてあります。

あげまんじゅう 揚げ饅頭

生菓子。揚げ物。まんじゅうを揚げたもの。まんじゅう中身は、こし餡、つぶ餡、クリーム、お餅などです。カリッ、サクッとしたおまんじゅうです。

揚げまんじゅうといったら、地元御殿場の「金時力まんじゅう」です。御殿場は金太郎が育った金時山が近くにあり、金太郎が有名です。金太郎と言えば力がつくとされるお餅。この「金時力まんじゅう」は、揚げまんじゅうの中に、餡とお餅が入っているボリューム満点なおまんじゅうです。金時力まんじゅうを食べる時だけはカロリーのことは忘れましょう。

いなかまんじゅう 田舎饅頭

→「吹雪まんじゅう」をご覧ください。

うすかわまんじゅう 薄皮饅頭

生菓子。蒸し物。皮が薄いおまんじゅうのことです。

黒糖を使った「黒糖まんじゅう」や、皮が薄い「吹雪まんじゅう」のことを「薄皮まんじゅう」とも言います。

おりべまんじゅう 織部饅頭

生菓子。蒸し物。緑色と焼き印を使い、織部焼の風情を模した薯蕷饅頭のことをいいます。

おんせんまんじゅう 温泉饅頭

まんじゅう20241021石舟庵こしあん

素材の種類ではなく、各温泉地で作られ販売されているまんじゅうのことをいいます。製法や味などは、その地により違います。ほとんどが、生菓子で蒸し物。

温泉場で買えるものは、その日の朝に蒸されることが多く、出来立てを食べられたりします。地元「伊豆長岡温泉」の旅館のほとんどは、宿泊する夜のうちに旅館に注文をしておくと、帰る日の朝、出来立てがおまんじゅうやさんから旅館に届くようなシステムになっています。

出来立てではありませんが、地元のおまんじゅうやさんの温泉まんじゅうをお取り寄せできます。↓↓↓

かりんとうまんじゅう かりんとう饅頭

生菓子。揚げ物。こし餡の黒糖まんじゅうを揚げたものをいいます。皮が黒糖ではなく、中身がこし餡ではない場合は、「揚げまんじゅう」になります。

かるかんまんじゅう 軽羹饅頭

「軽羹饅頭」についてはこちら。レシピもあります。↓↓↓

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くずまんじゅう 葛饅頭

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くりまんじゅう 栗饅頭

半生菓子。焼き物。オーブンもの。明治時代になり、オーブンの普及により広く作られるようになりました。

「栗まんじゅう」と呼ばれるものにはいくつかのタイプがあります。

①小麦粉に砂糖、練乳、卵を混ぜた生地で、蜜漬けした栗と餡を包み、上面に卵黄で焼き目をつけて、栗のような色、照り、形にした栗を模したタイプ。楕円形、円形もしくは栗型があります。

②まんじゅうの中の餡が、白あんに、栗をペースト状にしたものを入れ、栗餡にするタイプ→栗餡まんじゅう

③まんじゅうの中の餡が、小倉餡、こしあん、白餡などで、栗の刻んだものもしくは丸のままの栗を入れるタイプ→栗入りまんじゅう

「栗」については、こちらもご覧ください。↓↓↓

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こうはくまんじゅう 紅白饅頭

生菓子。蒸し物。白い薯蕷饅頭と、生地に紅の色粉で色付けした紅い薯蕷饅頭のセット。お祝い事などに使われることが多い。もとは、日本に饅頭を伝えたとされる林浄因(りんじょういん)が結婚式の際に紅白の饅頭を配ったことに始まると言われています。

こくとうまんじゅう 黒糖饅頭

生菓子。蒸し物。皮の生地に黒糖を使ったもの。餡は、こし餡、つぶ餡どちらもあります。

シンプルに黒糖を使った皮で作った「利休まんじゅう」を「黒糖まんじゅう」と呼ぶ方もいらっしゃいます。

さかまんじゅう さけまんじゅう 酒饅頭

別名「虎屋饅頭」とも言います。

生菓子。蒸し物。小麦粉と麹を使った皮で餡を包み蒸したもの。

鎌倉時代に中国に留学した聖一国師によって伝えられたといわれています。

蒸し立てのものが、冬場の茶席で喜ばれます。

じょうようまんじゅう 上用饅頭

生菓子。蒸し物。

上用粉という米粉の記事で作ることから、この名が付いたとされます。

「薯蕷饅頭」のことを「上用饅頭」というところもあります。

じょうよまんじゅう 薯蕷饅頭 

生菓子。蒸し物。

「薯蕷(じょうよ)」は、加熱すると膨らむ山芋(つくね芋、大和芋)の性質を利用し、すりおろした山芋に倍量の砂糖を混ぜ「すり芋」を作ります。「すり芋」の4割の米粉または上新粉と合わせて蒸して仕上げたもちもちとした生地のことです。その生地の割合を6とし、10割の餡を丸く包んだ菓子を「薯蕷饅頭」と呼びます。

饅頭の中でも高級品とされ、「上用饅頭」という字を当てることもあります。見た目の豪華さはありませんが、芋の香り、蒸し加減が大変難しく、作り手の差が際立つ饅頭といえます。もちもち、ふかふかした皮を手でちぎって触感を愉しむのもおすすめです。

そばまんじゅう 蕎麦饅頭

生菓子。蒸し物。皮の生地にそば粉を使ったもの。お蕎麦の産地で作られていることが多い。




とうまんじゅう 唐饅頭

生菓子。焼き物。オーブン物。卵、小麦粉、砂糖、はちみつ、水飴で作った生地の中に、白餡などを包んだもの。今川焼に似るが、完全機械化されて作られていることが多い。「都まんじゅう」といった名前で販売されています。

とらやまんじゅう 虎屋饅頭

→「酒饅頭」をご覧ください。

ふぶきまんじゅう 吹雪饅頭

生菓子。蒸し物。別名「薄皮まんじゅう」「やぶれまんじゅう」「田舎まんじゅう」とも言われます。

生地が薄く、中の餡が見えているのが特徴。餡は粒あん。生地には山芋を入れています。

岩肌に吹雪が吹きつけているさまが、皮と餡で表現されています。

ふまんじゅう 麩饅頭

麩20200707石舟庵
府饅頭 2020年7月7日 

生菓子 。蒸し物。こねた小麦粉を水にさらしてグルテンだけにした生地に、よもぎなどを加え、餡を包み蒸したもの。もとは、料理の一品として、味噌などの具が入れられていたものが、のちにお菓子となりました。

おすすめのお店として、京都市の「麩嘉(ふうか)」、地元静岡県伊東市の「石舟庵(せきしゅうあん)」などがあります。

みそまんじゅう 味噌饅頭

生菓子。蒸し物。皮の生地に味噌を練り込んだもの。

「みそまん」は、浜松の郷土菓子です。昔は、味噌のような色の皮に餡を包んだものを「みそまん」と呼んでいましたが、今では、皮に味噌を練り込むようになりました。

うなぎパイで有名な春華堂さんの「みそまん」です。こちらからお取り寄せできます。↓↓↓

みやこまんじゅう 都まんじゅう

→「とうまんじゅう」をご覧ください。

もみじまんじゅう 紅葉饅頭

宮島の名物。生菓子。焼き物。紅葉の形をした、カステラ状の生地にこし餡の入った焼き饅頭。最近では、餡もいろいろありますが、もみじ饅頭を揚げた「揚げもみじまんじゅう」や、生地も米粉を使ったもちもちの生地の「生もみじ」などもあります。現地で食べたべたい「揚げタイプ」、お土産にしたい「生タイプ」、長期で楽しみたい「通常タイプ」ともみじ饅頭のフルコースを楽しみたいですね。

広島では「もみじ饅頭」の表記が一般的で、一部「もみじまんじゅう」のところもありますが、「紅葉饅頭」や「紅葉まんじゅう」とは表記しないとされています。

やぶれまんじゅう

→「吹雪まんじゅう」をご覧ください。

りきゅうまんじゅう 利休饅頭

生菓子。蒸し物。溶かした黒砂糖に砂糖、小麦粉、米粉を加えて混ぜ合わせた生地で餡を包み蒸しあげた小ぶりのまんじゅうをいいます。「黒糖まんじゅう」とも言われます。色や素朴さから千利休にちなんで、この名が付けられたとされます。

明日はどんな手仕事する?

今回、まんじゅうに関してまとめてみて、改めてまんじゅうの種類の多さにびっくりしています。種類だけでもこれだけでてきており、それぞれの地域のものを含めたら、まだまだ永遠にあると愕然としました。ここで終わることなく、まだまだ調査は進めたいと思いました。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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