【季節の手仕事「栗」➃栗菓子のレシピ】毎年作りたくなる「栗の甘露煮」と「栗の渋皮煮」の簡単レシピ!

 9月にしたい手仕事

手間がかかると思いがちな「栗の甘露煮」と「栗の渋皮煮」ですが、コツさえつかめば、とても簡単です。ぜひ挑戦してみてください。




栗の甘露煮(甘煮)《保存食》

ほくほくして甘い「栗の甘露煮」は、長期保存ができて、長い間、栗を愉しむことができます。「栗の甘露煮」ができると、お正月の栗きんとんができます。

《 材料 》

栗 500ℊ 鬼皮つきの量

くちなしの実 1個 なければ入れなくても大丈夫です

水 400㏄

砂糖 200ℊ

《 作り方 》

①栗を水に入れ、一晩漬けておきます。時間がなければ、鍋にお湯を入れて蓋をして20分程つけてもできます。

②栗のお尻を鬼皮、薄皮とも一気に切り落とし、鬼皮をむきます。

③薄皮を、両サイド、片面2か所、合計6回でむくように、お尻部分からむきます。これをすると仕上がりが綺麗です。そのまま1時間ほど水につけて、アク抜きをして変色を防ぎます。

➃鍋に栗を入れ、水がかぶるくらい入れ、20分ほど下茹でします。栗がほぐれないよう、沸騰はさせず、弱火にしてください。

⑤栗がほぐれないようにお湯を捨てて、もう一度水がかぶるくらいまで入れ、弱火で10分ほど沸騰させないよう下茹でし、アク抜きをします。

⑥くちなしの実があれば、⑤にペンチなどで割って入れて一緒に茹でてください。そのまま冷やして色を染み込ませます。

⑦別の鍋で、水400㏄と砂糖を入れ、煮ておきます。

⑧別の大きな鍋を用意し、栗が重ならないように置き、⑦をいれて弱火で20分ほど、照りが出て汁が少なくなるくらいまで煮ます。

栗の甘露煮は、常温で2~3週間保存可能です。

《応用編》おせち料理の栗きんとん

甘露煮

蒸したさつまいもを裏ごししたものに、上記「栗の甘露煮」の栗がほぐれてしまったものと、栗を煮た汁を混ぜ、クリーミーに炊き上げます。仕上げに、ほぐれなかった綺麗な栗をのせて出来上がりです。

私の作るおせち料理の栗きんとんは、市販品の栗きんとんのように甘くてクリーミーではありませんが、甘さ控えめでとてもヘルシーです。

さつまいもの甘さを最大限に活かしたきんとんなので、さつまいもは甘くしておりません。砂糖を入れていないため、日持ちはせず1週間ほどです。逆に、日持ちをさせたいようでしたら、適宜に砂糖を加えるようにしてください。

おせち料理の栗きんとんの詳しい作り方はこちら ↓↓↓

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きんとんとは、おせち料理のさつまいもベースの栗きんとん、和菓子の栗ベースの栗きんとん、上生菓子のきんとん製の生菓子の3種類があり、それぞれの見た目、味、材料、作り方も違います。それぞれの特徴から、きんとんを好きになってもらえたら嬉しいです。

栗の渋皮煮 《保存食》

渋皮煮20230926

栗の渋皮煮は、難しいかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、意外にも簡単に失敗なく美味しくできます。ぜひ、挑戦してみてください。

《 材料 》

栗(鬼皮をむいた後の量) 500ℊ

重曹 小さじ1

グラニュー糖 300ℊ

《 作り方 》

栗を水に浸ける

①栗を水に入れ、一晩つけておきます。時間がなければ、お湯に入れて20分程つけてもできます。

鬼皮をL字に切る

②薄皮に傷をつけないように、鬼皮をむきます。その際に、平面の方を表にして、色の違うお尻の部分から鬼皮に変わるところが少し角ばっていて、そこに包丁をL字に入れるようにむくと、平面の方が一回でむけます。あとは簡単。逆の膨らんでいる方を頭(先)の方から取ると簡単にむけます。最後にお尻の方をむくと筋がついてくるようにむけます。この方法ですと力も時間もかかりません。念のため、包丁を持たない方の手に軍手をすると安心です。

渋皮を鍋に

③鍋にむいた栗を入れ、かぶるくらいの水と重曹を入れ、火にかけます。ひと煮立ちしたら、弱火にします。

渋皮を煮込んでアク抜き

10分ほど煮るとアクが出て、煮汁も黒くなるのでザルにあげます。

この茹でこぼしを3回繰り返します。栗が少し古い様子だったりした場合は、このアク抜きをしっかりじっくりやりましょう。そうしないと、出来上がりがアクが残り苦くなります。

重曹を入れるのは、最初だけです。

常に栗にお湯が被っている状態になるように注意してください。

最後は、栗に竹串を通し、柔らかければ、大丈夫です。

渋皮を煮込んでグラニュー糖

➃鍋に栗を入れ、新しいお湯をかぶるくらい入れ、半分のグラニュー糖を入れて、ひと煮立ちしたら、弱火にして10分煮ます。

渋皮を煮込んで落し蓋

⑤残り半分のグラニュー糖を入れ、ペーパータオルの落し蓋をして、更に40分煮て甘みを含ませます。

渋皮煮出来上がり

⑥栗に艶がでたら、鍋から栗だけを取り出し、保存する瓶や密封容器などに入れます。

⑦鍋に残った煮汁を煮詰めます。水分を飛ばし、泡がでてきて飴のように少しどろっとしたら、完成です。やり過ぎると固まるのと焦げるので注意してください。冷めたら、栗にかけてください。

1日置くと甘みが染み込み、美味しくなります。

お皿に渋皮煮

とても贅沢なおやつです。

密封容器ならば、長期保存可能です。

冷凍保存も可能です。自然解凍でも5分で食べることができます。

冷蔵庫に入れてしまうと、栗が硬くなりますので注意してください。




《応用編》栗のパウンドケーキ

パウンドケーキ20230930

上記、「栗の渋皮煮」を入れて焼くだけです。

《 材料 》パウンドケーキの型は、25×10×7センチの大型サイズを使用

無縁バター 100ℊ

砂糖 150ℊ

卵 4個

薄力粉 200ℊ

ベーキングパウダー 小さじ1

栗の渋皮煮 200ℊ

《 作り方 》

①バターを少し溶かし、砂糖をボウルに入れ、クリーム状になるまで混ぜます。

②卵を卵黄と卵白に分け、①に卵黄を入れ混ぜます。

③栗の渋皮煮を大きめに刻んで加えます。

➃薄力粉とベーキングパウダーを振るいにかけながら、③に入れ、混ぜます。

⑤卵白を泡だて器で泡立てます。

⑥卵白をサックリと混ぜ、クッキングペーパーを敷いた型に流し入れます。

⑦170℃のオーブンで50分焼きます。

注)栗の渋皮煮は、写真では食べやすいように刻んで入れてしまいましたが、そのまま切らずに入れると切った時の見栄えも良いですし、栗の歯応えも感じられるかと思います。お好みでどうぞ。

おうちで簡単!ほくほく焼き栗

焼き栗20231012

日本の栗(和栗)で焼き栗をするのは、栗の種類を選んだ方がおすすめです。「ぽろたん」などの鬼皮、渋皮が簡単にむけるものが良いでしょう。山栗などでは上手にむけずに、栗を美味しく食べることができません。ご注意ください。

「栗の品種」については、こちらをご参照ください。↓↓↓

【季節の手仕事「栗」②栗の品種】もっと知りたい栗!栗について、栗の形状や品種などいろいろな栗まとめ
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《 材料 》

栗(ぽろたんなど) 100g

砂糖 小さじ2

サラダ油 大さじ1 皮をむけやすくするためのものです

《 作り方 》

①栗の鬼皮に十文字の切り込みを入れます。焼いた時の破裂防止です。切り込みは、なるべく鬼皮だけになると食べやすくなります。写真は、結構ざっくり入れてしまい、食べる時に栗が崩れてしまいました。

②耐熱ボウルに栗を入れ、栗が被るまで水を入れ、ラップして、600wで1分半レンジに入れます。

③レンジが終わったら、水気を切ります。

➃栗の入った耐熱ボウルの中に油と砂糖を入れて混ぜます。

油まみれな栗20231012

⑤クッキングシートに栗を並べ、オーブン200℃で15分焼きます。

【おまけ】栗菓子だけではない栗料理のメニュー

◆茹で栗 

塩を入れて、40分茹でます。

◆蒸し栗 

蒸し器で40分蒸すだけです。 

◆栗ご飯 

栗が手に入ったら一番に作る定番ですね。

◆栗の唐揚げ・天ぷら

皮をむいて、粉を付けて、揚げるだけです。ホクホク感満載。

栗のおすすめの逸品 ~栗むき機~

栗の鬼皮をむく「栗むき機」です。これがあると便利です。こちらからお取り寄せできます。↓↓↓

明日はどんな手仕事する?

栗の手仕事は、手間がかかるだけに避けてしまう方も多いと思います。確かに、時間も労力もかかります。市販の栗ご飯の素も販売していますし、栗のむいてあるものも真空されて販売されています。ただ、それに勝つのが、美味しさと贅沢さです。収穫して、調理した達成感。これが栗の手仕事の醍醐味です。

また、スーパーで販売されている生栗を手に入れるのも決してお安くはないので、収穫できるのは、貴重ですし何より新鮮です。やっぱり季節のものは、できる限り自然の姿から味わいたいですね。

ほんの少し変わってくる季節を見逃さずに過ごしていけることほど、贅沢なことはありません。

ぜひ、栗の手仕事、挑戦してみてください。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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