【季節の手仕事「青紫蘇(おあじそ)・大葉」③しその実】しその実の収穫方法、下処理、保存食のレシピ

 9月にしたい手仕事




しその実「花穂・穂紫蘇・束穂・こき穂・紫蘇の実」について

しその実とは

紫蘇の花20240909
2024年9月9日

大葉は、9月になると、急に先が伸びてきて、9月中旬にはお花が咲きます。

しその実全容20230926
2023年9月26日

お花が上まで咲ききると、ガク(実)が残り、そこからゴマのような種が出てきます。

この実のことを、「花穂(はなほ、かすい)」「穂紫蘇(ほじそ)」「束穂(たばほ)」「こき穂」「紫蘇の実」などといろんな呼び方をします。ここでは、「しその実」と呼ばせていただきます。

この「しその実」がとても美味しいのです。

しその実の収穫

しその実束20231002
2023年10月2日 2023年は収穫が少し遅かったです。あと1週間早い方がものが良かったです。

9月下旬から10月上旬、お花がすべて咲ききる少し前の、お花が2~3個残っている状態になったら、しその実の収穫です。

うちでは、広範囲にわたって生えているため、収穫が面倒なので、もう少し待ち、茎ごと一気に収穫してしまいます。そうすると、実が硬くなってしまうところがでてきてしまうので、本当は、花が終わりそうなものから順に収穫していった方が柔らかくて美味しいかもしれません。

紫蘇は、シソ科の1年草です。1年草とはいえ、実から種が飛び、土に返って、次の年はその飛んだ種が芽を出す形で生えてきます。毎年自然に出てきますので、知らなければ多年草だと勘違いしがちです。ですので実の収穫の際に全部抜いてしまうと、絶えてしまう可能性もあります。全部は抜かずに、来年も出てきてほしい場所は、しばらく抜かずに少し残し、黒い種が飛んだことを確認してから、枯れた草や葉を抜くようにします。農家さんなどは、枯れたまま抜かずに、冬はそのままにしている方もいらっしゃいます。

しその実の収穫20221003
2022年10月3日

しその実の下処理

花が終わったしその実だけを収穫してきます。

もしくは、根ごと抜いてきたものは、しその実がついている茎だけを切ります。

しその実20221003
2022年10月3日

実を茎からこそいで(取り外して)いきます。

花の先端(上部分)を左手で持ち、右手で上からすーっと引っ張るとすべての実が簡単に採れます。果てしない作業ですが、しその幸せな香りに包まれながら、頑張りましょう。指先がアクで真っ黒になりますので、ビニール手袋などをするとよいでしょう。

採れたしその実は、どの料理を作るかにより、アク抜きのために、湯通ししたり、一晩水につけたり、乾燥させたりします。

このしその実を食べられることはあまり知られていません。こんなに美味しいものが知られていないことが、残念でたまりません。たくさんの方に知っていただけると嬉しく思います。

大葉を自分で育てられないという方で、しその実を手に入れたいという方は、9月中旬から下旬くらいになると、道の駅やファーマーズマーケットに出始めます。量は多くないので、見つけたら即買いしてください。

しその実の保存方法・賞味期限

季節のものは、日持ちするものではありません。手に入れたら、すぐに下処理や調理をしましょう。




しその実の簡単レシピ

しその実の醤油漬け《保存食》

しその実の醤油漬けは、お刺身やお寿司のお醤油の代わりに、しその実の醤油漬けをのせて一緒にいただきます。花穂紫蘇などとは、また違った香りや食感が楽しめます。実だけでなく、漬けた醤油を別のものにつけて食べても、しその香りのする美味しい醤油となります。

《 材料 》

しその実 30g

醤油 大さじ2

酒 大さじ2

《 作り方 》

①しその実を水につけてラップをし、冷蔵庫に入れて一晩アク抜きします。

お忙しい方は、さっと茹でてアク抜きをしても構いませんが、水で一晩アク抜きした方が香りが残りますし、出来上がりの色も良いです。

しその実のアク抜き20220927
2022年9月27日

②キッチンペーパーで水分を優しくとります。

しその実水切り20220927

③醤油とお酒を一度沸騰させて、アルコールを飛ばして、冷ましておきます。

➃しその実と③を混ぜるだけです。翌日には、味が染み込んで美味しくなります。

密封容器に入れておけば、冷蔵庫で2~3ヶ月保存可能です。

しその実味噌《保存食》

しその実味噌20221018
2022年10月18日

《 材料 》

しその実 50g

味噌 90g

砂糖 25g

《 作り方 》

①しその実を水に浸けてラップし、冷蔵庫で一晩アク抜きをします。

②キッチンペーパーで水分を優しく拭き取ります。

➃味噌と砂糖を用意します。

⑤鍋に味噌と砂糖を混ぜ溶かし、しその実を加えるだけです。水分が飛ぶまで火にかけてください。

しその実の佃煮《保存食》

しその実佃煮20221011
2022年10月11日

《 材料 》

しその実 100ℊ

酒 大さじ3

砂糖 50ℊ

みりん 大さじ3

醤油 大さじ3

アク抜き20231005
2023年10月5日

①しその実を水に浸けてラップし、冷蔵庫で一晩アク抜きをします。

②キッチンペーパーで水分を優しく拭き取ります。

③鍋に酒と砂糖、みりん、醤油を入れます。沸騰したらしその実を入れます。

➃照りが出てきたら完成です。

しその実の佃煮20231006
2023年10月6日

しその実のおすすめの逸品

しその実を食べたことがないという方。一度試してみてください。お取り寄せできます。↓↓↓

しその実の手仕事記録

しその実20240920
2024年9月20日

「手仕事記録」は、私自身が収穫したり作った日にちとなります。毎年の収穫や作る日にちの目安になればと思い、できる範囲で記録をしております。比較的暖かい静岡県にての記録となりますので、地域により前後するかと存じますが、お役に立てると幸いです。

◆しその実の収穫

2022年9月26日 収穫開始 ~ 10月10日 最終収穫

2023年9月25日 収穫開始 ~ 10月5日 最終収穫

2024年9月20日 収穫開始 ~ 9月30日 最終収穫

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旬の食材を探しに行くのにマストな探し方は、農家さんが作っているものを持ち込む、道の駅、旅の駅、村の駅、川の駅、ファーマーズマーケットです。手に入らない食材の宝庫です。また、個人的によく利用している地元の食材のお店もご紹介しています。



20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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