【季節の手仕事「唐辛子(とうがらし)」②甘い唐辛子】もっと知りたい!辛くない、甘い唐辛子って何者?

 6月にしたい手仕事




もっと知りたい「甘い唐辛子」の特徴

「甘い唐辛子」とはいいますが、唐辛子の要素は見た目だけで、全く辛味のない、とても甘いお野菜です。「甘い唐辛子」を食べたことがない方でも、パプリカを思い浮かべていただければ、甘いということをわかっていただけるかと思います。

最近では、「甘とう」などと書かれて、スーパーで販売されています。「甘い唐辛子」と書いてあったら、辛い中でも甘い方なのかと勘違いしてしまう方もでてきてしまうかもしれません。そうではなく、「甘とう」は甘いお野菜です。

「甘い唐辛子」のことを「南蛮唐辛子」や「南蛮」などと呼ぶところもあるようです。

もっと知りたい「甘い唐辛子」の品種

甘い唐辛子の品種の紹介です。

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甘とう美人

◆サイズ・大きさ・重さ 

長さ15センチほど。

◆外皮色 

緑色

◆特徴 

タキイ種苗が開発した品種。柔らかくてとても食べやすい。家庭菜園で質の良いものがたくさん収穫できます。まれに辛味が出ることもあります。

◆おすすめメニュー 

炒め物、煮物、肉詰めなど。

たかがみねとうがらし 鷹峯とうがらし

◆原産・産地 

京都市の北西の鷹ヶ峰地域が原産。

◆歴史 

昭和18年頃から栽培された品種。歴史が浅いため「京の伝統野菜」には含まれていないが、準じる野菜とされています。

◆旬 

6月~11月。

◆出荷開始時期 

6月下旬

◆サイズ・大きさ・重さ

伏見とうがらしより太い。

◆外皮色 

濃い緑色  完熟すると真っ赤になります。

◆特徴

栽培が難しく、生産者が少ないため、流通量が限られた希少品種です。肉厚で皮が薄く美味しい。

◆おすすめメニュー 

素焼き、天ぷら、炒め物、煮物など。

たなかとうがらし 田中唐辛子

◆別名

「ししとうがらし」先がつまっていて獅子の頭のようだから。

◆原産 

京都府の田中地区。

◆産地 

京都市左京区一条寺から山科区付近

◆名前の由来 

田中地区で栽培されていたのでこの名がついたとされます。 

◆旬 

6月上旬~10月下旬。

◆サイズ・大きさ・重さ 

太くて短い。小型。ししとうのように先がつまった形。

◆外皮色 

濃い緑色

◆特徴 

京の伝統野菜の1つ。種が少ない。

◆おすすめメニュー 

焼きとうがらし、天ぷら、佃煮、煮物など。

パプリカ

◆英名 

Bell pepper

◆原産 

熱帯アメリカ原産

◆産地 

ハンガリー、アメリカ、ブルガリア、スペインなどと各国で生産されています。

日本では、 北海道、宮城、山形、茨城、山梨、広島、熊本など各地で生産されています。

◆分類 

植物学上では、唐辛子と同じ栽培品種の種類になります。

◆科属 

ナス科トウガラシ属

◆サイズ・大きさ・重さ 

大型種。

◆外皮色 

赤、オレンジ、黄色、紫色、茶色など。

◆特徴 

肉厚でとても甘い。生でも食べることができます。

「パプリカ」という香辛料の名称でもあります。着色料(パプリカ色素)としても使われています。

◆栄養価 

ビタミンC、E、P、食物繊維、βカロテン、カプサンチンを多く含んでいます。

◆似ているもの 

ピーマン

◆ピーマンとの違い 

ピーマンは、植物学上では唐辛子の仲間ではありません。パプリカと似てはいますが、違う分類とされています。

◆おすすめメニュー 

ピクルス、ピペラド(バスク風パプリカ煮込み)、スープなど 

ふしみあまながとうがらし 伏見甘長唐辛子

◆別名 

「伏見甘」ともいいます。関西では「青とう」と呼ぶこともあります。

◆原産・産地 

京都の伏見付近を中心に栽培されています。

◆旬 

4月~10月。

◆サイズ・大きさ・重さ 

細くて15~20センチと長い。

◆外皮色 

緑色。熟すと赤くなります。

◆特徴 

京の伝統野菜の1つ。ブランド京野菜の1つ。柔らかい。

◆選び方 

まっすぐに伸びたものがよいとされています。

◆おすすめメニュー 

焼き物、天ぷら、煮物、揚げ物などに適しています。

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まんがんじとうがらし 万願寺唐辛子

「万願寺唐辛子」についてはこちら ↓↓↓

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やましなとうがらし 山科唐辛子

◆原産 

京都市山科地区

◆産地 

京都市山科地区、北区、京都府の亀岡地区など。

◆旬 

6月上旬から10月下旬。7月、8月が一番美味しい。

◆サイズ・大きさ・重さ 

手のひらサイズ。

◆外皮色 

緑色

◆特徴 

京の伝統野菜の1つ。ししとうのような形をしていますが、先端は尖っています。果肉に厚みはなく、種が少なく、柔らかい食感が特徴です。

栽培数が少ないため、全国には出回っていません。

◆おすすめメニュー 

素焼き、焼き浸し、煮物、天ぷら、炒め物など。

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やまととうがらし 大和唐辛子

◆別名 

「紫とうがらし」ともいわれる。

◆原産・産地 

奈良県南部

◆サイズ・大きさ・重さ  

5センチ前後

◆外皮色 

なすのような紫色。 完熟すると赤くなります。

◆花の色 

ナスの花よりも濃い紫色。

◆特徴 

奈良の「大和伝統野菜」のひとつ。加熱すると、紫色が薄い黄緑色に変わります。自家消費用に作られた品種のため、ほとんど出回っていない品種です。

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「ピーマン」と「ししとう」は唐辛子ではない!

「ピーマン」と「ししとう」は、植物学上では、唐辛子とは違う種類になります。

ピーマン

◆英名 

Bell pepper

◆別名 

「甘唐辛子」という。

◆科属 

ナス科トウガラシ属。

◆外皮色 

主に緑色のものをいう。

◆保存方法 

ポリ袋に入れて、冷蔵保存が良い。

◆おすすめメニュー 

肉詰め、青椒肉絲、昆布和えなど、焼く、炒める、和えるどの料理にも使えます。

ししとう 獅子唐

◆正式名称 

ししとうがらし 獅子唐辛子

◆別名 

「甘とう」とも呼ばれます。

◆英名 

Sweet pepper

◆原産 

熱帯アメリカ

◆分類 

植物学上では、唐辛子とは違い、ピーマンと同じ種類になります。

◆科属 

ナス科トウガラシ属。

◆名前の由来

先の形が、獅子の口に似ていることからこの名が付いたとされます。

◆旬 

6月~9月

◆特徴 

甘い唐辛子とはいえ、ごくまれに辛いものが含まれていることがあります。

◆保存方法

ポリ袋に入れて、冷蔵保存が良い。軽く茹でて冷蔵保存してもよい。

◆おすすめメニュー 

じゃこ炒め、素揚げ、串揚げなど

【季節の手仕事】甘い唐辛子のレシピ

万願寺唐辛子味噌 《保存食》

甘い万願寺唐辛子とお味噌の相性は抜群です。ご飯のお供に、お豆腐に、田楽に、チャーハンに、焼きうどんなど、何にでも合います。

《 材料 》

万願寺唐辛子 100g

味噌 100g

みりん 大さじ3

酒 大さじ3

砂糖 大さじ3

ごま油 大さじ3

ごま 大さじ2

《 作り方 》

①ヘタを切り落とし、種とワタを取ります。

万願寺唐辛子の半分20220907

②小口切りにします。

③フライパンにごま油を入れ、炒めます。

④味噌、みりん、酒、砂糖、ごまを入れて、弱火でつやが出るまで炒めます。

万願寺とうがらし味噌作成中20220907

⑤つやがでてきたら、火を止めます。

万願寺唐辛子みそ出来上がり20220907

⑥粗熱が取れたら、保存瓶などに入れて、冷蔵庫に保存します。

2~3日置いてから食べると美味しくいただけます。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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