【季節の手仕事「山葵(わさび)】日本特有のスパイス!わさび漬けだけではない「わさびの食べ方」を紹介!

 1年通してしたい手仕事

わさびは、日本特有のスパイスです。

ピリッとした辛味、香り、味わいは、日本料理には欠かせないものです。

そんなわさびは、意外にも根、茎、葉、花すべてを食べることができます。それぞれ部分別に食べ方などを紹介します。

ちなみに「わさび漬け」は、刻んだわさびの葉、茎、根を酒粕に漬けたものです。




わさびを食べる~根わさび~

所謂「わさび」と呼ばれるものは、わさびの「根」になります。根をすりおろし、お寿司やお刺身、お蕎麦などにつけて、辛味、香りなどを楽しみます。

根わさびの削り方

根わさびは、葉や茎に近い方が新鮮です。擦る(削る)際には、「のの字」を書くように、ゆっくりと優しく擦ります。きめ細やかにすりおろすほど細胞組織が細かく破壊されて辛味成分が出てくるので、辛味が一層増します。

空気に触れると辛味成分が飛ぶので、手早く作業することと、食べる直前にすりおろす方がおすすめです。

根わさびのメニュー 

お寿司、お刺身、お蕎麦だけでない、根わさびをすりおろしたものを使うメニューです。

◆わさび丼 

ご飯にかつおぶしを一面に敷き、その上にわさびをたっぷりのせ、しょうゆをかけて混ぜて食べます。なのり(わさびに合う海苔)を混ぜたりもします。

◆わさび餅(磯部もち)

焼いたお餅にしょうゆ、わさびをつけて、海苔を巻いて食べます。

◆納豆わさび 

納豆にわさびを入れます。

◆焼き茄子わさび 

焼き茄子にわさびをつけて食べます。

◆わさびと枝豆の冷製ポタージュ

玉ねぎ、じゃがいも、枝豆、すりおろしたわさびをフードプロセッサーにかけ、生クリームを加えます。仕上げにオリーブオイルをたらして出来上がり。

◆わさびのタルタルソース

ピクルス、らっきょうなどを刻み、マヨネーズ、すりおろしたわさびを混ぜるだけ。焼いたチキンやフライドフィッシュなどにつけて食べます。

◆わさび焼酎 

焼酎をわさびで割ります。

わさびを食べる~茎わさび~

地上に出ているわさびの茎を食べます。

わさびの若い茎と葉20250123御殿場ファーマーズ
2025年1月23日

わさびの茎や葉は、年明けにこのような25センチほどの丈で販売されています。写真は、葉が新芽で若く、非常に美味しい状態です。

わさびの茎20250123御殿場ファーマーズ
2025年1月23日

わさびの茎は空洞になっています。

わさびの茎と葉は辛味が異なるので、分けて使うのがおすすめです。新芽ならば一緒でも大丈夫ですが、しっかりとした葉になっているものは、分けた方が美味しくいただけます。

茎わさびの三杯酢漬け

《 材料 》

わさびの茎 1束

塩 適量

砂糖 大さじ8

酢 大さじ6

しょうゆ 大さじ3

《 作り方 》

①茎を3センチに切り、少量の塩で揉み込みます。

②アクが抜け、水分が出るので、水で洗い流します。

③熱湯を回しかけて、流水でしめて水分をしっかり絞ります。

➃瓶など密閉できる容器に③と砂糖、酢、しょうゆを入れて漬け込みます。

⑤冷蔵庫で1~2日置けば完成。

茎わさびのしょうゆ漬け

《 材料 》

わさびの茎 1束

塩 適量

だし汁 150cc

しょうゆ 小さじ2

酒 大さじ1

《 作り方 》

上記三杯酢漬けと①~③は同じ。

➃瓶など密閉できる容器に③とだし汁、しょうゆ、酒を入れて漬け込みます。

⑤冷蔵庫で1~2日置けば完成。

茎わさびと豚肉の炒め物

茎わさび、豚肉を塩で炒め、火を止めたら、すりおろしたわさびを加えるだけ。

茎わさびのぬた

わさびの茎、お酢、白味噌、ニンニク、みょうがをフードプロセッサーにかけ、ソースのようにして、焼いたお肉やお魚にかけて食べます。




わさびを食べる~葉わさび~

わさびの若い葉20250123御殿場ファーマーズ
2025年1月23日

わさびの葉の旬は、4月から5月と言われています。収穫時期としては、静岡県東部の御殿場では1月頃から、伊豆中心部の天城では6月まで収穫できます。

葉にも根と同じ鮮烈な香りと辛味があります。葉も空気に触れると辛味成分が飛ぶので、手早く作業することと、作る直前に切るなどにした方がよいでしょう。

葉は必ずしも湯がく必要なはなく、生のままで切って使っても香りが生きてよい。逆に辛味を抑えたい場合は、ぬるめのお湯で10秒ほど湯がくと抑えられます。よく揉むと辛味をひきだすことができます。

写真の葉は、新芽の若い葉ですが、柔らかく、この頃に食べるとえぐみもなく美味しいです。生でそのまま食べましたが、口に入れた時点では爽やかな葉でしたが、噛めば噛むほどにからし菜のように辛味を感じました。葉の新芽は柔らかく、辛味もマイルドなので食べやすいです。

おすすめのメニューは、サラダ、和え物、お浸し、漬物、佃煮など。

美味しい葉を選ぶには、緑色が濃く、葉脈がはっきりとして、肉厚なものがおすすめです。

わさびを食べる~花わさび~

わさびの花を食べるというよりは、若い葉が出る頃に花も咲き、花も葉と一緒に食べることができるということです。食べ方は、上記葉わさびと同じです。

わさびの花の蕾20250123御殿場ファーマーズ
2025年1月23日

わさびの花のつぼみです。

わさびの花20250123御殿場ファーマーズ
2025年1月23日

わさびの花の色は白く、花びらは4枚です。花径約1センチ程の小さな花です。

わさびについて

◆原産 

日本固有の植物。

◆産地 

静岡県伊豆市の天城は日本一の産地。ほかにも長野県安曇野市などが有名です。

◆科属  

アブラナ科ワサビ属の多年草。

◆収穫時期 

葉は1月~6月ころまで、根は6月頃から秋頃まで、葉や茎、根など種類を問わなければ、1年中収穫できます。

◆手に入れる方法

わさびの産地である静岡県の伊豆地方では、根わさびはスーパーやお土産物屋やさんなどで手に入ります。葉わさびは、道の駅やファーマーズマーケットなどで、出回る時期のみ手に入れることができます。

わさびの栽培方法

わさびの栽培方法は、水の中で育てられる「沢わさび(水わさび)」と畑で育てられる「陸わさび(畑わさび)」があります。

沢わさび(水わさび)

清流や湧き水を利用して栽培されています。

わさびの栽培には水がとても大事となり、水温が12度くらいの一定の温度が保たれないといけないとされ、わさび田は「自然の冷蔵庫」とも言われます。畳石式という方式のわさび田で栽培されています。

長野県安曇野市や静岡県伊豆天城で採れる沢わさびが有名です。

陸わさび(畑わさび)

畑や湿度の高い山林などで栽培されます。

わさびの種類

わさびの種類は、「本わさび」と「西洋わさび」に分けられます。

本わさび

「本わさび」のほとんどが、清流や湧き水などで栽培された「沢わさび」となります。

真妻種 まずましゅ(赤茎)

栽培期間が長く、2年から2年半かかります。

根は太く、赤みを帯びています。

辛味はありますが、抜けていく時に甘みを感じます。上品な辛味です。

和歌山県の真妻村(現在は印南町川又地区)を発祥とするわさびで、最高品種と言われています。

主にお寿司やお刺身などに使われているわさびです。

実生種 みしょうしゅ(青茎)

栽培期間は、約1年です。

根は緑色をしていて、直立して育ちます。

すりおろすと綺麗な黄緑色をしており、辛味は穏やかですが、香りが爽やかでマイルドな味わいです。

実生種のわさびは水分を多く含むため、真妻種と同じ大きさであれば、真妻種の方が実がつまっているため重量は重くなります。

主にお蕎麦などに添えられているわさびです。

西洋わさび

わさび大根やホースラディッシュと呼ばれ、白い根が食用となります。すりおろすとわさびに似た成分が出るため、緑色に着色され、チューブのわさびなどの原料となります。

わさびのおすすめスポット

伊豆わさびミュージアム

ミュージアム20221107
ミュージアム20221107

わさび屋さんで有名な山本食品さんが経営している「伊豆わさびミュージアム」です。

建物内には、ワサビができるまでや、わさびについて学ぶことができます。実際のわさび田もあります。わさびのお土産もたくさん販売しています。わさび好きにはたまらないかもしれません。

道の駅「ゲートウェイ函南」の隣にあります。

《 伊豆わさびミュージアム 》

静岡県田方郡函南町塚本894-1

055-970-0983

10:00~16:00(土日祝日のみ~17:00)

わさび関連の商品

わさび味、わさび風味を含む、わさびを使っている商品を挙げてみました。

わさび漬け

わさびふりかけ

わさび茶漬け

わさび海苔

わさび海苔の佃煮

わさび味噌

わさび椎茸

わさびドレッシング(しょうゆベース)

わさびごまドレッシング

わさびマヨネーズ

わさびカマンベールチーズ

わさびせんべい

柿の種 わさび味

わさびポテトチップス

わさびチーズスナック

わさびソフトクリーム

わさびサイダー

わさび酒

わさびのおすすめの逸品

おろし板がセットになった伊豆天城のわさびを、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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