園芸が盛んになった江戸時代中期。大人気となった朝顔、花菖蒲、菊と共に、百合も人気となりました。中でも、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが「鹿の子百合(かのこゆり)」を大変気に入り、ヨーロッパに持ち帰り研究を重ね、百合の園芸品種オリエンタルハイブリット系の百合たちが開発されたと言われています。この「鹿の子百合」は、日本だけでなく海外でも絶大な人気があったとされます。
そんなちょっと風変わりな見た目の「鹿の子百合」が好きで、育てておりますので、出生を中心にご紹介していきます。
絶滅危惧種に指定された「鹿の子百合」が育つ姿 ~お花の出生~
芽が出てきました 3月中旬~
花の芽は、命を感じます。
1日1㎝くらいの速さで伸びてきました。
次々と芽が出ています。
茎が伸びてきました 4月上旬~
早くも草丈30cmになりました。茎が伸びつつ、葉も着々と開いています。
草丈50センチになりました。安定して伸びています。葉も随分大きくなりました。
丈はそれほど伸びていませんが、まもなく蕾が出来てきそうです。
つぼみがつきました 7月中旬~
やっと蕾ができてきました。
花が咲きました 7月下旬~
2023年は、あまりの暑さに枯れる寸前でしたが、なんとか開花しました。1つ目のお花は、反りがよくありませんでしたが、2つ目のお花は、綺麗な「鹿の子百合」らしい反り具合になりました。
2024年7月23日に開花しました。
花びら全体が濃いピンクになり、鹿の子模様が奇妙に入っています。めしべの長さだけでも8センチあります。6本のおしべも同等の長さとなり、やく(花粉が付いているところ)も約2センチあります。
鹿の子百合は、この花びらと、雄しべ雌しべのバランスがとても奇妙です。雄しべと雌しべがお花の主役のようです。
もっと知りたい「鹿の子百合」について
「鹿の子百合」は、日本原産の百合の原種の1つです。絶滅危惧種に指定されています。
鹿の子百合の別名
「ドヨウユリ(土用百合)」「タナバタユリ(七夕百合)」
鹿の子百合の科属
ユリ科ユリ属ヤマユリ亜属。多年草。
鹿の子百合の系統
オリエンタル系。オリエンタルハイブリット系の親。ヤマユリ亜属に属し、鹿の子模様の斑点が特徴。
鹿の子百合の自生場所
九州(薩摩半島や長崎県の沿岸)、四国南部(愛媛県や徳島県)など温かい地域中心。雪が降らない静岡でも育ちます。
鹿の子百合の葉
太さ2~3センチ、長さ10~20㎝。硬くて光沢有。
鹿の子百合の根
根がはるので、茎10センチ残して植え替えると付きます。
鹿の子百合の開花時期
6月~9月。
2023年は7月27日開花。
鹿の子百合の開花期間
2~3日。
鹿の子百合の花径
横幅約10センチ。奥行約15センチ。
鹿の子百合の草丈
約50センチ~1メートル。
鹿の子百合の花の色
鮮やかな濃いピンクの花の色から、宝石のルビーにも例えられた。
鹿の子百合の花の特徴
①花びらに鹿の子模様(鹿の背のような斑点のこと)が入る。
②下を向いてうつむいて咲く。
③花びらが綺麗に反り返る。
➃花びらよりも、雄しべと雌しべが大きい(主役並み)
鹿の子百合の歴史
江戸時代に、最も綺麗とされた百合の種類。
鹿の子百合の季語
仲夏。
仲夏(ちゅうか)とは、旧暦でいう夏が4月、5月、6月になるので、その真ん中の5月が仲の夏で仲夏となる。旧暦の5月。夏半ばの1ヶ月のことをいう。今でいう、ちょうど6月頃になるので、鹿の子百合が咲く頃となります。
鹿の子百合の花言葉
荘厳。慈悲深さ。
鹿の子百合のおすすめの逸品
「鹿の子百合」を育ててみたくなった方、こちらから球根をお取り寄せができます。↓↓↓
明日はどんな手仕事する?
百合は、それほど好きではなかったのですが、いけばなで可憐なオトメユリなどに出逢い、野生の品種を見るようになってから、興味を持つようになりました。
鹿の子百合の存在は、昔から知ってはいたのですが、ご近所で出逢い、それがあまりにも綺麗な鹿の子百合で、いつも見ていたら、そのご近所様が「育ててみて。」と親切にくださいました。
育て始めて、鹿の子百合が絶滅危惧種に指定されていることを知り、もっと大切に思うようになりました。絶滅危惧種だからといって、すぐにどうなるわけではないと思いますが、大切に育てていくことと、生育の状況、出生の状況を記録して、みなさんに見ていただけたらと思いました。
これからも、常に情報を更新して参りますので、また見にいらしてください。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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